約 2,308,978 件
https://w.atwiki.jp/sanpo_key/
佐藤文也氏制作のフリーゲーム「散歩するキーボード使い」の攻略まとめWikiです。 ダウンロードサイト-ふりーむ! このwikiはネタバレ全開です。 ネタバレが怖い人はFAQとチュートリアルだけにしておくと安心かもしれません。 wikiについて Wikiなので誰でもページ作成や編集ができます。 よくわからんという人は、各ページのコメント欄に書き込むとなんとかなるかもしれません。 このwikiは公式とは無関係です、内容の正確性は保障できません。 当サイトの内容について公式に問い合わせないでください。 当サイトに関する苦情、要望等はwikiへの要望へ。
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1354.html
ギーシュの奇妙な決闘 第十一話 『星屑の騎士団』 ――最初、モンモランシーは手紙の内容を受け入れる事ができなかった。 親愛なる叔父から届けられた、一通の書状。 その娘を介してのやり取りなら兎も角、滅多に直接的な干渉の無い相手からの手紙に、いぶかしみながらも封ろうを外し、開いて……絶句させられた。 何度も何度も、その内容を読み直し、一文字ずつ脳裏に刻み込み、ようやくその内容を受け入れた瞬間。 彼女は、机に突っ伏して、泣いた。 ラバーソールの学院襲撃から、既に一週間がたとうとしていた。 当初は混乱の見られた学生達も、今では普段と変わりない学生生活を送り、平穏を取り戻していた。ごく一部の、例外的な生徒を除いて。 狙われた当の本人であるギーシュ・ド・グラモンと平賀才人、その周辺の人々である。 後日に改めてオールド・オスマンから、自分達を狙っているのが『アカデミー』と言う組織だと聞かされて、彼らは寒気を覚えずにいられなかった。 才人はルイズから聞かされてその存在を知っていたし、ギーシュにとっては今更語るまでもない。 暴走したあの組織の標的にされた上に、これからもその危険は付き纏うのだ。 つかまってしまえば命の危険どころか、解剖されてまともな人間としての尊厳すら失われてしまうだろう。 ――自衛のために、己の力を磨きなさい。 オールド・オスマンにそう告げられてから、ギーシュと才人の二人の特訓の日々が始まった。 ゆっくりと、ギーシュは癒えたばかりの両手に力をこめて、呼吸するように、それが当然であるように、傍らにある力を認識する。 まず力があることを確信し、認識する事。 メイジである以上は必ず言い聞かされる言葉であり、全ての魔法における初歩の初歩の初歩……それを改めて踏まえ、繰り返す。 自分の手の開閉を繰り返し、傍らにある力も同じように動かすように意識する。 目の前に立つのは、自ら作り出したワルキューレ。 ギーシュは、己の力の象徴であったそれを睨みつけ、傍らに立つ己の半身の存在を認識し、叫んだ! 「フェンスオブディフェンス!」 瞬間……現れたギーシュのスタンドの拳が唸り、ワルキューレに怒涛の勢いで拳をたたきこむ! あっという間にスクラップになり、吹っ飛ばされるワルキューレを満足げに見やり……改めて、己の右腕を見つめた。 スタンドが本体と感覚を共有している事は、今までの経験と承太郎からの説明で掴んでいたし、実感もしていた。 フェンスオブディフェンスの感覚越しに腕に並々ならぬ衝撃は、自分の手で殴っているのとほぼ変わらない感覚となって返ってきたと言うのに、ギーシュの右手は全く痛んでいない。 つい昨日まで痛みを感じていた右手のケガが、完璧に癒されている……分かりきっていた事だが、ラバーソールに食われた右手の惨状を考えれば、完治に対する感動はひとしおだった。 場所は、学院内にある魔法の修練場……完治した右手の怪我の様子を見るための軽い運動だったが、何故かやたらとギャラリーが多かった。 才人達主従に、デルフリンガー、タバサにキュルケと、あの夜のメンバーが勢ぞろいしていたのだ。 「うっひゃぁ~……すげーなおい」 『おいおい相棒。何間の抜けた事言ってやがるんだい』 ぐしゃぐしゃに吹っ飛ばされたワルキューレに感嘆の声を上げる才人に、デルフリンガーは呆れて合いの手をうつ。 『確かにスピードは大したもんだが、パワーとかならまだまだだぜ』 「わかるのかよ」 『ああ。この前の悪魔騒ぎの時の、ジョリーンってあの嬢ちゃん……あいつのスタンドのほうが、よっぽどパワーがあったしな。あれだったらお前さん、あんなゴーレムなんぞ粉々だぜ』 「それに、ギーシュのワルキューレなんて何の抵抗もしてないじゃない」 「……せっかく人が感動してるんだから、水を差さないでくれたまえよ」 眉をひそめて苦情を言いつつも、ギーシュはデルフリンガーとルイズの発言そのものを否定しようとは思えなかった。 自分のスタンドがジョリーンの『ストーンフリー』と比べて圧倒的に貧弱である事は、自分でも分かっていたのだ。 スピードだけなら勝っている自信があるが……それだけである。総合的なラッシュの破壊力だけで言うのならば、比べるのも馬鹿馬鹿しいだろう。 (……やっぱり、スタンドには個人差があるんだろうか?) 魔法に個人差があるように、スタンドにも個人差があると考えるのは当然の理屈だろう。 話を聞く限りでは能力も個々で違うようだし、スタンドと言う能力は魔法に負けじと奥が深いものがあるらしい。 「――へぇ。意外とやるじゃない」 スタンドが見えない才人が首を傾げるその横で、キュルケは己の率直な感想を包み隠さずにギーシュに告げた。隣にいるタバサも同意するとばかりに頷いて、 「魔法を使う隙を補うなら、十分過ぎる」 「……まぁ、確かにそうなんだけどね」 学院でも指折りのトライアングルクラスからの褒め言葉だ。本当ならば、多少得意になってもおかしくは無いのに、ギーシュの心は晴れなかった。 確かに、接近戦の苦手なメイジの護衛としてみるならば、このフェンスオブディフェンスは十分すぎるほどに強力である。普通の敵相手には強力なアドバンテージだが…… (スタンド使い相手には未知数、なんだよな) あの夜襲い掛かってきた黄の節制の男に対し、ギーシュは何の抵抗も出来なかったのだ。 スタンドの存在も全く役に立たず、今この修練場に集まっている面々の協力と、そこから得られたヒントが無ければ、今頃はどうなっていた事か…… そして、ルイズの言葉が表すとおり、彼が今ふっとばしたワルキューレは抵抗を全くしない文字通りの案山子であり、スタンド使いに限らず実際襲い掛かってくる敵に通用するかどうかすら、全くの未知数だった。 そもそもからして、自分のスタンド能力は扱いやすい物ではないのだ。 右手のケガが完治する今日までに、キュルケ達の協力の下『能力』であるフェンスの性質についてはあらかた調べ終わっている……が。 冷やせば絶対零度、燃やせば超高温を生み出せるのでは!? とわくわくしながら実験に挑んだと言うのに、結果はなんとも御粗末な代物であった。 冷やしてみたら、確かにものすごい低温を作り出せたのだが……冷却範囲がひたすら狭く、なんとフェンスを薄く覆うヴェールのような狭い範囲だけだった。高速で相手を冷凍しようとすれば、相手の体をフェンスに押し付けなければならないだろう。 燃やしてみたら、確かにものすごい高温になった物の……今度は枠がその熱に耐え切れず溶けてしまった。決して低い温度ではない物の、溶けた瞬間に反射が失われて燃え尽きてしまうのだ。 フェンスの枠は青銅で出来ているらしく、その融点は約1000度。決して低いとは言わないが……このくらいの温度ならトライアングルクラスならば軽く出せるし、理想とは程遠い。 まだまだ欠点はある……温度が上がりきる、下がりきるまでに時間がかかる上に、一旦設置したフェンスを中心とするために攻撃の自由度がやたらと低いのだ。 ファイヤボールのように打ち出せるわけでもなく、フローズンのように自由に発生させられるわけでもない。 こういう視点に立ってはじめて、ギーシュはメイジの魔法が以下に自由度か高いかを理解できるようになっていた。 更に悪い事に。 このフェンス、現時点だと、『一度に一枚しか出せない』! 二枚目出そうとすると一枚目が消えてしまうのだ。『二枚重ねて火をつけたら温度の上昇が加速するかも』という甘い見通しは、木っ端微塵に砕かれてしまった。 いくら訓練を重ねてもフェンスの枚数は増えないし、八方塞である。 (つ、使いにくい! 本当に使いにくいぞ僕のスタンド!) 防御に使うには文字通り穴だらけだし、攻撃に転用しようとしても、使いどころが難しい。手持ちの魔法である、錬金やワルキューレとも連携しにくい。 もしも、ギーシュが他のスタンドを知らなければ今のフェンスオブディフェンスの能力で十分に満足していただろうが……間の悪い事に、彼は他のスタンドを自分のスタンド能力を把握するより先に知ってしまっていた。 スターンフリーと『黄の節制』、そしてブラックサバス……どれも、フェンスオブディフェンスには無い万能性があり、真正面から戦っても勝ち目が無いような者達ばかりだった。 敵対した二つのスタンドには一対一で戦う事をシミュレーションしたのだが、どうやったら正面から戦って勝てるのか。 一体この扱いにくさ抜群のスタンドをどういう風に活用すればいいのやら、ギーシュは目の前に立ち塞がった問題に対し、顔引きつらせるだけで解決策の出しようが無い。 「なーんか、全然満足してないわね。ギーシュ」 「贅沢」 呆れるキュルケ達をよそに、ギーシュはどうしたものかと首をかしげて……その視界にモンモランシーの姿が写ったのは、そんな時だった。 悩んでいる最中に現れた安らぎに、この軽薄な男は無邪気にはしゃいだ。 「モンモランシー!」 「……?」 反射的に声を上げたギーシュを、モンモランシーは緩慢な動作で振り向いた。 修練場の傍らに延びる通路を歩く彼女に向かって、ギーシュはわき目も振らずに走り出す。その後ろでは、呆れた目でギーシュを見ながら立ち上がるルイズ達に…… 「自分で呼び出しといて、そっちかよ」 『ま、しゃーあんめぇーよ。ギーシュだし』 「そうね、ギーシュだし」 「そうだよなぁ、ギーシュだもんなぁ」 「ギーシュだしねえ」 「所詮、あんなもの」 なんか、変な納得のされ方をしていた。 納得しながら、これから起こる惨劇を思わずにはいられない。 ルイズのツンデレが強烈過ぎて霞んでしまうがモンモランシーも立派に嫉妬深い少女であり、ルイズやキュルケと一緒に居る事に対して何も言わないと言うのはあまりに希望的に過ぎる予想であろう。 「やぁ、モンモランシー。君は相変わらず、美しいね。いや、あの……彼女たちと一緒に居たのは、スタンドの訓練のためで……?」 雷の一つも落ちるんだろうなと、漠然とした経験則に基づく予想は……外れた 「……何?」 ギーシュやルイズ達が、モンモランシーの様子に驚いた。 彼女は今までに無いほど陰鬱な雰囲気を引きずっており、ギーシュが必死に並べ立てた言い訳を興味なさそうに聞き流したのである。 目は真っ赤に腫れていて涙の後も見える。明らかに尋常ではないその様子に、ギーシュは思わず真剣な青で問い返した。 「……モンモランシー、どうしたんだい? そんな顔をしていては、君の美貌が翳ってしまうよ」 「……ううん、なんでもないのよ」 心配そうな声に対して、モンモランシーは首を振って否定の意を示した。 こんな暗い表情作っておいて、なんでもないなんて大法螺噴きだと自嘲するも、それを改める事は出来そうにない。 正直、改める余裕など、今のモンモランシーには何処を探しても無かったのである。 あからさまに落ち込んでいる目の前の彼女に、ギーシュは続けて何かを言いかけたが……口をもごもごとさせるだけで、何も言わなかった。 何を言えばいいのかわからなかったのだ。 ギーシュの女性遍歴は所詮薄っぺらな物であり、こういう真剣に落ち込んでいる女性に対する対応が出来るほど熟達してはいない。 下手な言葉をかければ返って相手を傷つけかねない事ぐらいは理解できるも、どうすればいいのかがわからない。 そのままほうっておく事も気の聴いた言葉で慰める事もできないと言う、なんとも中途半端な状態だった。 「それよりも、アナタはなにやってたの? スタンドの練習?」 「あ、うん……そうなんだ」 問い返されて、ギーシュは沈黙を破り、しどろもどろになりながら答える。先程答えたはずの事を改めて聞き返してくる辺り、全然大丈夫ではない。心ここにあらずとはこの事か。 「ほら、僕の右腕の怪我は、退院できてもまだ治らなかっただろ? それがやっと完治したんで、今度はフェンスオブディフェンスの接近戦能力を測ってたんだ」 「そうなの……」 「少なくとも、ワルキューレを一瞬でスクラップに出来るくらいの能力はあったよ。振動が腕に伝わってきても、全く痛みが無かったし、完全に本調子さ」 「よかったじゃない」 「…………」 会話のキャッチボールが成り立たなかった。いや、ギーシュのほうからは勢いよくボールを投げるものの、モンモランシーはそれを投げ返してこない……いや、受け止めているのかすら怪しい状態である。 「御免、ギーシュ……私、もう行かなきゃ」 「え、あ……」 ぼそりとつぶやいて踵を返すモンモランシーを呼び止めようとして、ギーシュの手は宙を泳いだ。かけようとしても、かける言葉が見つからない。 何故そんな風に落ち込んでいるのかを聞く事自体はたやすい。 ただ、それを聞いてしまう事がとてつもない過ちであるような気がしてならず、ギーシュに安易な選択肢を取らせる事を阻んだ。 だからといって、このまま彼女を行かせるのは……いやしかし…… ループに陥る思考の中で、ギーシュは必死に彼女を不自然でなく呼び止める話題を探した。 度し難い話ではあるが、話題がないくせに彼女をこのまま行かせたくないと考えたのである。 何かがないかと記憶の棚をひっくり返し、荒らしつくして……己の悩みすらも解決できる理想的な問いを見つけた。 「も、モンモランシー!」 「――何?」 「首都の『星屑騎士団』の宿舎に行かないかい? これから、相談に行くところなんだが……」 少なくとも、二人のスタンド使いが存在する場所。 そこに相談しに行く事は決して自分にとってマイナスにならないはずだと言い聞かせ、ギーシュは言葉を紡いだ。 ……これの選択が、『スタンド使いは惹かれあう』という法則をギーシュの骨身にしみこませる事件の、発端であった。 モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシには、二才年下の姪がいた。 小さいながらも利発で、くりくりとした瞳が愛らしい少女だ。彼女はモンモランシーになつき、モンモランシーは彼女を実の妹のように可愛がって、子供の頃から実の姉妹のように過ごしていた。 婚約者から貰った装飾品を嬉しそうに、肌身離さず身に着ける普通の少女。 一族はおろか、使用人達からも愛され……魔法の才能もある。将来はその人望と才能で領地を良く治めるであろうと、嘱望されていた少女だった。 「あ~っ、むかつく! あのトリガラがぁーっ!」 「…………」 デスクの上に両足投げ出して、はしたなく騒ぐ娘の姿に、承太郎は眉をひそめた。 女の好みが大和撫子であり、出来れば娘にもそうあって欲しいと願う承太郎にとって、あまり歓迎できる動作ではなかったのだが……それを口に出す事はしなかった。 それを願い彼女に強制することが、醜い親のエゴである事位は、父親失格の立場である承太郎も十二分に知っていたのだ。 二人とも、騎士装束は着ていない私服姿だった。承太郎は学ランを髣髴とさせるオーダーメイドのコートに、ジョリーンは『あちら側』で着ていたのと全く同じ服。 ハルケギニアではかなり変わった服装だが、辺りを歩き回る団員達はそれが当たり前とばかりに仕事を続けている。彼らは上官達の私服姿に、完全に慣れていた。 「……そう腐らないでくださいよ、ジョリーンさん」 彼女のデスクにお茶を置きながら、年若い騎士が苦笑を浮かべて言った。 トリスティン王宮の傍らに、ポツンと建てられた掘っ立て小屋……小さな村の宿屋程の大きさしかなく、王宮近くの建造物としては目を見張るほどに貧乏臭い建物だったが、そこに詰める者達は間違ってもみすぼらしくなどない。彼らこそは、黄金の精神の持ち主。 『星屑騎士団』の屯所である。 その中二階にある『シュヴァリエ』階級専用のオフィスに、ジョリーン達はいた。 数人の隊員が資料探してわたわたと駆けずり回っている辺り、『専用』と呼べるかどうかは怪しいが。 本来ならばフーケ討伐に動き回らなければならない立場にあると言うのに、彼ら『星屑騎士団』に与えられたのは、『首都の警邏』という緊急性のない任務であった。 首都を空けるわけにはいかないだの、少数精鋭の君たちならば適任だだの、もっともらしい枕詞を並べ立てられてはいたが……本音を晒すのならば、『大物討伐に平民上がりが出しゃばるな』と言った所だろう。 騎士団に命令を通達した時の関係者のにやけ顔が、それを証明していた。調べたところ、討伐に選ばれた騎士団を率いるポワチエ大将が、方々に賄賂をばら撒いてこの人事を実現させたらしい。 「確かに、置いてけぼりを食らったのには腹が立ちますけど……マザリーニ宰相ご自身には考えあっての事ですし」 「そーだけどさぁー」 その騎士が言う通り……他の騎士団関係者の思惑は兎も角、マザリーニはそういった官僚意識とは無縁の合理的な理由で、賄賂で動かされた連中を制止せず星屑騎士団をフーケ討伐隊から外したのである。 その理由には、『星屑騎士団』の隠された任務の一つ……承太郎たちと同じようにこの世界に呼び出されてしまった、スタンド犯罪者の検挙が関わってくる。 隠された、というのも誤謬かもしれない……希少で見つかりにくいDISCの回収と言う任務と並べてみると、スタンド犯罪者検挙の方が主な任務と言っていいだろう。 明らかにメイジの物とは思えない現象や、それが関わる犯罪を取り締まるのが、彼女達の任務である。 スタンドと言う物は確かに魔法に比べて万能性がないが……それだけに、はまれば恐ろしいほどの強さを発揮し、そうなってしまうとスクウェアが数人がかりでも倒せない。 先日も、要人の警護にあたっていた風のスクウェアメイジが、スタンド使いと思われる殺し屋に後れを取ったばかりだ。ラバーソールも戦争が起こるたびにメイジを文字通りの食い物にして荒稼ぎしていたらしい。 スタンド使いが関わると、万事が万事この調子だ。魔法は杖で起こすと言う概念が、杖を使わず魔法のような現象を起こすスタンド使い達の助けになっていた。 トリスティンに限らず、ハルケギニアの貴族たちにとって、召還されたスタンド使いが起こす犯罪は、悩みの種なのである。 この世界における生活基盤のないスタンド使いがこのハルケギニアで生きようとしたら、犯罪に手を染めるしかない。才人のように貴族の庇護の下に召還される、と言うのは本人がどう思おうと、凄まじく運がいいのだ。 ラバーソールのような傭兵家業に身をやつすのならばまだいいが、ドロボウや暗殺者のような物騒な職業につかれると、眼も当てられない。 更に悪い事に、この世界のスタンド使いの大半が後者であり、結果、ハルケギニアではスタンド使いが事故で召還される度に、少なくない量のメイジの血が流される事となる。 承太郎たちが『星屑騎士団』という組織を作り上げ、トリスティン王国と言う政府に属しているのは、『スタンド使いを取り締まる代わりにDISC捜索に協力してもらう』という、取引の結果なのだった。ギブ・アンド・テイクの見本である。 さて、それを踏まえて。 マザリーニが精鋭である『星屑騎士団』をあえて動かさなかったのは、最近増加の一途をたどるスタンド犯罪に対応させるためだった。 手ごわい奴が現れたとか、大規模な犯罪組織になったとかではなく、単純にスタンド犯罪の数が増えているのである。それも、かなりの勢いで。 数ヶ月前までは少数精鋭で数の少ない星屑騎士団でも暇をもてあます位だったというのに、今では息をつく暇もないほどに発生件数が跳ね上がっていた。 ジョリーンと承太郎以外のメンバー……エルメェス達を初めとしたスタンド使い達も休む暇すら惜しんで王国領地の各所を駆けずり回っているのだ。 スタンド使い以外の構成員も、彼らについて8割がた出払っている始末である。 承太郎達も本当なら親子水いらずで釣りにでも出かけようと、前々から休暇を取っていたのだが……休んでいるのは服装だけで、休日返上で屯所に篭らざるをえなかった。 この後も、今取調べをしている人間の証言が取れ次第、残っている人間全員で捜査に乗り出す予定だった。 「スタンド使った事件には、僕ら以外じゃ対処しづらいですしね……宰相閣下にとっては、他の騎士団に出来る事を、わざわざ僕達にやらせる必要性を見出せなかったんでしょう」 「そりゃそーだけどさ……」 「ジョリーンさんの場合は、姫様の警護役もありますからね……そうだ。そんなに暇なら、姫様の所に遊びに行かれたらいかがですか? いつもみたいに」 「その、アンのところもねぇ……アルビオンの事で悩んでるみたいだし、行っても相談にすら乗れないんじゃあね」 「まぁ、隣の国の事ですから……って、ちょっと待っておいィィィィィッ!!」 やれやれと爆弾発言ぶっ放すジョリーンに、若い騎士は奇声を上げて向き直る。 シュヴァリエの分際で姫様呼び捨てという無礼対する反応としては、騎士のそれこそがデフォルトなのだが……ジョリーンも承太郎も涼しい顔で、その驚愕を受け流した。 なんせ、貴族社会とは無縁の世界からの来訪者、そこ等へんの礼儀にはやたらとラフだった。 「あー、訂正。姫殿下ね」 「訂正って……呼び捨てはいかんでしょ呼び捨ては!?」 「姫殿下直々のお許しあっての事だ。気にするな」 (気にしてくださいよ! ねぇ!) 若き騎士は、あまりにフランクな上司達の様子にめまいを覚え、よろけてしまう。 ……承太郎達に来客が告げられたのは、丁度その時だった。 「ここが、『星屑騎士団』の屯所か」 「…………」 「……ず、随分と小さいところだね!」 「……そうね」 「……あ! モンモランシー……その髪留め、僕がプレゼントした物だね! やはり、君に良く似合っているよ! 悩んだ甲斐があると言う物だ!」 「……ありがとう」 「それを買った時、ヴェルダンデが装飾の宝石を気に入ってしまって、困ったよ」 「……そう」 「…………………………………………えっと」 「…………………………………………」 重い。 何が重いって、沈黙が重い。会話をしようとしても、全く続かない。 ギーシュとモンモランシー……二人の間に横たわる重いものは、ギーシュと同様の目的を持つルイズ達主従はおろか、興味本位のキュルケたちまで圧迫し、場の空気を暗く湿ったものにしていた。 承太郎への取次ぎを頼み、待合室へ通されたのはいいものの、空気がこんなでは気も滅入るというものだ。 (お、おいギーシュ! モンモンなんとかしろよ……暗いぞ! ものすごく!) (そ、そう言われても……僕にも何がなんだか) 情けない事に、才人から放たれたヘルプに対して、ギーシュはなんら応える手段を持ち合わせていなかった。 学院から馬で駆け抜ける事3時間。その間、モンモランシーは変わらずずっとこの調子だった。 何があったのか聞いても答えず、お茶を濁すばかり……それは、ルイズやキュルケが相手でも変わらず、結局学院からこの屯所まで、この重いを空気引きずるようにしてやってきたのだった。 首都へ行く。 予定無しに言い出すにはあまりに突飛なこの提案を、モンモランシーはなんとあっさり受け入れ、ついてきた。普段の彼女なら、『もっとはやく教えなさいよ』とか『なんで前もって言ってくれなかったのよ』とか愚痴が入りそうな物だが、それすらない。 まるで、家族が死んだかのような落ち込みようだった……つい昨日までは明るく笑っていたと言うのに。 (……本当に何があったんだい? モンモランシー) もう一度聞き直すことはたやすいだろう。 だが、ここまで極端な落ち込みようを見せる乙女に対し、果たしてそれは正しい選択といえるのだろうか? 返って、相手を傷つけてしまうのではないか? ギーシュ・ド・グラモンは、リンゴォとの決闘以来、物事を深く考えるようになった。 平民の事、戦いのこと、相手の事など……以前なら何の躊躇いもなく無神経な台詞を放っていた場面で、沈黙の砦に篭ってしまうのはそれ故の弊害といえる。 今のギーシュのそれは気配りなどではなく、相手を傷つける事に対して、臆病になっているだけだった。 あの可愛い姪は来年になれば魔法学院に入学し、共に学ぶ事になる……筈だった。 彼女が予想し、モンモランシーが楽しみにしていたその未来が訪れる日は永遠に来ない。婚約者と温かい家庭を築く事もない。 モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシには、二才年下の姪が『いた』。 今はもう、いない。 取次ぎの兵士達に連れられていくルイズと才人、ギーシュ……三人の姿が見えなくなったところで、キュルケは辺りを見回した。 置いていかれる事に対する不満はあったが、それを口に出そうとは思わない。彼女達自分たちが部外者だという事を知っていた。 そして、踏み入って聞いていいような事情でない事も……留学生としての節度を守っているのである。 二人は才人やギーシュが狙われる理由やその相手が何者か……アカデミーに関する全ての情報を知らされていなかったのである。 ここに来たのも『星屑騎士団』に対する好奇心であり、この場で行き交う人間たちを眺めているだけで、それは満たされているのだ。 オールド・オスマンの判断で隠された以上、それに踏み入るつもりはない。 彼女達はそれでいい。相手の国の政治に必要以上に踏み込まないのは他国の人間として当然の事。 しかし……モンモランシーはこの国の人間であり、ギーシュとは浅からぬ仲である。 彼女の性格と併せると、置いていかれる事に対して何かコメントがあってもいいものだが。 「…………」 彼女は只、沈黙するのみ。 「……なんというか、お子様ねえ」 「…………」 恋愛に関して場慣れしているキュルケは、ギーシュの内心の動き――気遣いゆえの臆病さを察していた。 この手の線引きはそれこそ経験をつんで見切るべきものであり、一朝一夕に身につくものではない。 そういった価値観は個人個人が自分の感覚で掴む物で、教えたり出来る物ではないとキュルケは考えていた。 考えていたのだが……元来、彼女は母性的で面倒見がいい性質だ。目の前で悩んでいる人間がいれば、どうにかしてやりたいと言う欲求が止まらなくなるのである。 あたしって、こんなにおせっかいだっけ? タバサに効いたら即肯定されるような事を思いながら、キュルケはモンモランシーに向き直った。 「ねえモンモランシー。あなた、一体なにがあったの?」 「…………なんでもないのよ、なんでも」 「あのねえ……信じられるわけないでしょ? そんな、いかにも落ち込んでます、みたいな顔されたんじゃあ。 それとも何? 悲劇のヒロインぶって慰めてくれるのを待ってるわけ?」 ギーシュに対するのと全く同じ調子で返す事を、キュルケは許さなず、挑発的な物言いで反応を引き出そうとするも……モンモランシーは、無言でうつむくだけだった。 (これは……重症だわ) その反応を見て、ふとキュルケはある可能性に行き着いた。ひょっとして、モンモランシーは……身内に不幸でもあったのではないか? もしそうなら、キュルケの言動は死者の名誉を汚す無礼な行いになってしまう。 ふと視線を感じて振り向くと、タバサが珍しく、明らかに咎めるような視線を向けてきた。親友にいさめられ、キュルケは嘆息して、モンモランシーに謝罪した。 「一寸言い過ぎたわ。ごめんなさい。 ……何があったのか知らないけど、理由くらいは話して上げたほうがいいわよ? 私にじゃなくて、ギーシュに」 「……それは、わかってるわよ」 ポツリとつぶやかれた言葉には、明らかに感情が篭っていた。苛立ちと、悲しみだ。 ようやくマトモな反応が返ってきたことに、キュルケは微笑み、タバサは視線を本に戻した。 その直後。 「――だからっ! 私はもう無関係だと言っているだろう!!」 若い男の怒鳴り声が室内にに響き渡り、キュルケとタバサは、何事かと顔を見合わせる。 ……故に、気付けなかった。 その声を聞いたモンモランシーの肩が、大きく震えたことに。 一体何があったのか。 タバサとキュルケが顔を見合わせ、どうしようか迷っている間に、あっさりと疑問は氷解した。 「そういう話は、私じゃなくて従者に聞いてくれ! 何故私をこんなところに押し込める必要がある!?」 「そ、そう言われましても……」 「栄誉あるポワチエ一門の人間を、平民風情と同じように扱うつもりか!」 声の発生源は待合室の壁、その向こう……どうやら隣が尋問用の部屋らしいと、タバサとキュルケはすぐさま察しが着いた。 待合室と取調室が隣接し、しかも声がダダ漏れとは……思った以上の安普請に、なんともいえない表情になる。 「……ひょっとして、ここって貧乏なわけ??」 「その割には、いい物を使っている」 ここに詰めている騎士達の武器や防具は、一線級騎士達と比べても遜色がない程のものばかりだった。 少ない言葉に隠れた真意を読み取り、キュルケは眉をひそめた。身だしなみだけ気にして、内情が火の車と言うみっともない金庫事情が、ある男のそれと重なったのだ。 「それって、ギーシュの実家みたいに見栄えだけ気にしてるって事?」 「違う。多分、実戦を第一に考えてる」 これは、数多くの実戦を経験してきたタバサだからこそ気付けた事だ。 一同を個々まで案内した者、途中ですれ違った者、ギーシュ達を迎えに来た者……恐ろしい事に、どう考えても下っ端にしか見えないお茶汲み係に至るまで全員、挙動や仕草に隙らしい隙を見つけることが出来なかった。 一人一人の戦闘力としてみるなら、一流とはいえ目を見張る程ではないが、それが集団ともなれば話は別だ。 兵の平均的な強さと言う点では間違いなくハルケギニア随一だろう。 扱っている武器も、芸術的な意味ではなく実用的な意味での『良質品』である。実戦第一主義と言うわけだ。 本当の事を言えば……スタンド使い相手に平民である彼らが相対しようとすると、生半可な者では足手まといにしかならないのである。 最低限スタンド使いに対抗できる人材、装備をかき集めようとすれば、自然とこうなってしまったのだ。 今の少数精鋭ですら、スタンド使いと相対した時の隊員の死傷率は5割を超えてしまうのだが、タバサたちは知る由もない。 「大体、何故取調べをするのが平民上がりなのだ! 貴様らの上官はいないのか!?」 「は、はぁ……」 「そうか、そういえば貴様らの舞台には薄汚いシュヴァリエしかいなかったな! 成る程、平民と大して変わらない成り上がりの巣窟と言うわけか!」 「…………」 それにしても。 壁を貫通して耳朶を叩く、余りに醜い喚き声にキュルケは眉をひそめずに入られなかった。タバサは表情こそ変わらないものの、内心は似たようなものだ。 言ってる内容もあれだが、その程度の内容を相手を恫喝するかのように叫び散らす辺りがどうかと思う。 本当の貴族は侮辱された際に醜く怒鳴りたてるような事はしない……いかなる場合にも静かに、優雅に振舞う物であるというのが、トリスティンにおける貴族の理想的なあり方と言う物だ。タバサとキュルケは他国の人間だがその彼女たちからしても、隣人の言葉遣いは余りにも『貴族らしく』ない。 まぁ、貴族と言ってもピンきりで……実際彼女達が通う学院においても貴族と呼ぶに値しないような輩は大勢いるし、逆に貴族らしい貴族のほうが少ない有様だから、大して珍しくはないのだが。 それでも、不快感は拭えなかった。 「あらら……ポワチエって、確かこの国の将軍さんだったわよね」 「…………」 キュルケの呆れた声に、タバサは無言で首肯して見せた。 そして、そこである異常に気が付いたのである。 タバサに遅れる事一瞬、キュルケもその異常に気がついて、目を丸くした。 モンモランシーが、いつの間にか立ち上がって、薄い壁にその耳を貼り付けていた。 その表情にふざけた要素は一切なく、微動だにしない事もあいまって真剣さだけで彫金された銅像のように見えた。 「も、モンモランシー?」 「…………」 香水の銅像乙女は、キュルケの言葉に答えなかった。ただ、静かにしてとばかりに視線をキュルケに向けただけだ。 一体彼女は何を考えているのか? モンモランシーの行動についていけず、タバサとキュルケは困惑した。 自分の姪が、自殺した。 これが、モンモランシーが受け取った手紙の内容だった。 性質の悪い冗談だろう? そう思いたかったが、現実の厚い壁は空想の入り込む余地がなかった。 彼女の父親は、こんな下種なジョークを口にするような男ではなかったし、第一わざわざ手紙を書いてまで嘘をつく必要もない。 何故、あの明るく愛らしい姪が自殺する羽目になったのか? 平民貴族のわけ隔てなく優しく接するあの子の、輝かしい未来をどす黒い黒で塗りつぶしたのは誰なのか? 送られてきた手紙は、それらの疑問に答えてはくれない。姪が死んだことと、死因が自殺だという事、最後に葬式の日程が簡潔に書かれていただけだ。 モンモランシーが今できる事と言えば、悲しみにくれることだけだった。 案内の騎士に通されたオフィスを見て、ギーシュとルイズは度肝を抜かれた。 内装の豪華さにではない。逆に、その内装の質素すぎる事に驚かされたのである。 一般的に騎士団の隊長クラスのオフィスともなれば、どれ程屯所がみすぼらしくとも、内装に気を使うものだ。絨毯や絵、陶器といった芸術品は必須。 デスクや棚と言った備品は騎士団同士のやり取りの際に侮られぬために、必要な措置なのだ。 なのに。 この『星屑騎士団』オフィスには、そんな装飾品の類が一切存在しなかった。それどころか、高級品すらなかった。 棚や立ち並ぶデスクは平民でももう少しマシな物を使うぞ、と言いたくなるようなオンボロぞろい。 隊長である承太郎の座るデスクぐらいは地味に立派だが……よく見るとそこかしこに傷が目立つ。 加えて、滅多に一般兵士が立ち入れないはずのオフィスを、どう見ても平隊員です本当にありがとうございました、な連中が歩き回っている始末。 気分はヤック・デカルチャ! こんな騎士団オフィスがあるとは思ってもみなかった二人は、初めて文明に触れる未開の地の人々のように凍り付いてしまった。 「お、ジョリーンさん!」 「よぉー、久しぶり……呼び捨てでいいってば」 貴族二人を放置して挨拶を交えたのは、才人とジョリーンだった。 そのジョリーンに又ショックを受けるルイズ達……来訪者がいると言うのに、デスクの上に両足投げ出してリラックスしてるのである。 傍に控えていた若い騎士が頬を引きつらせて、 「じょ、ジョリーンさん……せめてきちんと座って欲しいんですが……」 「諦めろ」 「ですよ……ねぇ」 クールに断言する承太郎に、若い騎士は肩を落とした。 承太郎は硬直しているギーシュ達の横で戸惑っていた案内の騎士に、下がるようにアイサインを出してから、口を開いた。 「――さて。用件を聞こうか、ギーシュ」 「……あ、は、はい」 ギーシュの意識が解凍されたのは、案内の騎士がオフィスを出て行くのとほぼ同時だった。とりあえず内装の事には一切触れないように決意し、承太郎に向き直った。 改めて向かい合うと……ジョータロー・シュヴァリエ・ド・クージョーという人物がいかに『凄味』を持つ人物かが分かる。 モット伯や以前の自分では欠片も出せない……下手をすれば、ギーシュの父であるグラモン元帥やあのリンゴォよりも上かもしれない。 それ程の凄味が承太郎からは放たれていた。 というか、前にあったときより気合が入っている気がする。間違いない。 ……間違っても、迷える青少年の相談に乗る人間が出していい威圧感ではなかった。 「わざわざ学院から来たんだ……生半可な用事じゃないんだろう?」 「へ??」 まるで非常事態を前にしたように表情を引き締める承太郎に、ギーシュはしどろもどろになった。 彼はただスタンドの事で承太郎に質問があってきただけで、そんなに差し迫った用事があったわけではないのだ。 何より、『聞きたいことがあったら会いに来い』と言ったのは、承太郎ではないか。 「あ、いや、僕は、この間あなたに言われたから、こうしてあなたを訪ねたんですが」 「……この間? それは、ラバーソールがお前達を襲撃した夜の事か?」 慌てて弁明した瞬間、承太郎の凄味が眼に見えても不自然に減った。 一体何を勘違いしたのだろうというギーシュの疑問は、次の一言で木っ端微塵に砕かれた。 勘違いしたのは、ギーシュの方だった。 「……俺はあの時、『オスマンを尋ねろ』と言った筈だが」 「……え? あ、あれ??」 眼が丸になるギーシュを見て、承太郎は被っていた帽子の位置を直しながら、嘆息した。 二人の意識の差異の原因がわかった……ギーシュが勝手に承太郎の言葉を聞き違えただけだったのだ。 「やれやれだぜ……」 「なんか、勘違いでもあったの?」 「らしいな」 ジョリーンの問いに答え、承太郎はデスクから立ち上がった。 「俺達は最近殺人的に忙しくてな……今日は偶々屯所待機だったから運がよかっただけだ。次からは前もって連絡をくれ」 「あ、は、はい!」 自分の記憶違いで相手に迷惑をかけてしまったことに気付き、ギーシュは顔を真っ赤にしながら姿勢を正した。 話が通してあるからとやってきたのに、実際にはアポ無しの突撃になってしまった。 小さいとはいえ騎士団の隊長相手にアポ無しで面会を求める事がどれ程無礼な行為か……軍人の家系に生まれたギーシュは骨身に染みるほど良く知っていたのだ。 「それで……相談と言うのは何だ?」 「は、はい……その、フェンスオブディフェンスの事で……」 「名前が決まったのか。何よりだ」 「……戦闘に使うのに、余りにも扱いにくいので、アドバイスがもらえればと思いまして」 「…………成る程、な」 アカデミーと言う敵の存在が在る以上、己の戦闘能力に不安があれば、それを解決しようとするのは当然の考え方だ。 特にギーシュはスタンドに目覚めて間もない素人である。自分の力だけで何とかしろと言うのは、酷というものだろう。 そしてそういうアドバイスが出来そうなのは、ギーシュが知っている中では承太郎だけだ。 ギーシュが決して軽い気持ちで尋ねてきたのではないと理解した承太郎は、来客用のソファ(これまた安物)の傍まで来ると、先に三人に座るように促し、 「まず、かけてくれ……長話になりそうだしな」 承太郎とジョリーンの二人と対面する形で、ギーシュは己の把握している限りの『フェンスオブディフェンス』に関する情報を提示した。 ビジョンの持つスピードや、フェンスの反射の性質、それを応用した攻撃など……一通り話し終わったところで、承太郎は口を開いた。 「十分すぎると思うが、何が不安なんだ……?」 「じゅ、十分ですか?」 「ええ。正直、使えるスタンドだと思うわ」 何のお世辞も含ませず、ジョリーンが追従する。 どんな物理法則も完全に反射させるフェンスと、スピードだけならストーンフリーも超える接近戦能力……決して弱いスタンドだとは思わなかった。 熱や冷気を使った応用を考えると、かなり強力な能力と言えるだろう。 「だけど、この先の事を考えると……」 「力不足だと思うか?」 「はい。これまでの敵も、僕は何も出来ませんでしたし……正直、みんなの助けがなければ死んでいました。状況が味方しただけです」 「……そこは、逆に考えるんだな。『誰かの助けがあれば勝てる』……何もかも一人で解決できるなんて思わない事だ」 「けど、それじゃあ誰も守れない!」 (成る程、これがこいつの本音ね) 声を荒げるギーシュを、ジョリーンは冷めた目で見つめていた。 ……要するにギーシュは、自分ひとりで何でも出来る完璧な人間になりたいのだろう。 自分ひとりで襲い掛かる敵を全て撃退し、自分ひとりで全てのしがらみを取り払う、完璧な超人に。自意識過剰と言ってしまえばそれまでが、どうしたものか。 「僕はどんな状況でも、レディを守らなきゃならないんだ!」 言ってる事は馬鹿らしいのに、瞳に宿る力は決して弱弱しい物ではない……だからこそ手に負えないと考えるべきか。 どう言えば、この完璧志望をやめさせる事ができるのか……頭の痛いことである。 自分の能力を信じれないスタンド使いの力など……たかが知れているのだ。こんな有様では、せっかくの有効なスタンドも、宝の持ち腐れだった。 承太郎もジョリーンと同じことを感じ……そして、相手にかけるべき言葉を既に見つけていた。 「――ギーシュ 俺のスタンドは、目覚めたばかりの頃は能力が使えなかった」 「?」 いきなりの告白に困惑するギーシュ達に承太郎は続ける。 「単純に、殴る蹴るしかできなかったのさ。パワーとスピード、精密動作性は高いが……それだけだった。 正直、襲ってくるスタンド使い達を撃退するのにかなり苦労した。だが、俺は勝ち続ける事が出来た……何故だと思う?」 「え、えっと……」 「ギーシュ、さっきお前は状況が味方したと言ったな」 承太郎の言葉は終わらず、答えようとし逡巡するギーシュを遮った。 「それが分かっているなら大丈夫だ……状況を自分の手で作り出せとは言わない。ただ、待つな……その場にある状況を利用しろ。 俺はそうやって勝ってきた」 それは、何処にでも転がっているありふれた事件のはずだった。 反吐が出るような事件。だけれど、珍しくない事件。 『連続婦女暴行事件』。 本来なら一般の憲兵が取り扱い、大々的に調べて解決すべきものだった……にも関わらずその事件に関してだけは、女王陛下直下の騎士団が動き内密のうちに事件を解決しようとしていた。他ならぬ、『星屑騎士団』である。 何故、スタンド使い退治で忙しい組織にわざわざこんな仕事を押し付けたのか? 実に簡単な理由なのだ……加害者が平民で、その事件の被害者が、『貴族の娘』だったのである。 メイジである貴族が平民に苦もなく穢されると言う事件は貴族の体面を著しく傷つける……被害者が十人を超え始めた時点で、事は穢された少女達だけではなく、貴族全体の問題となっていた。 そして、事に『星屑騎士団』が当たっていた理由は…… 犯行が、明らかに『スタンド使い』によるものだったのである。 「さっきから何度も言っているように、私には一切関係のない話だ!」 事件についての情報提示を求める騎士に対し、男……クラウダ・ド・ポワチエは忌々しげに吐き捨てる。 その相貌には相対する騎士に対する軽蔑の色がありありと浮かんでおり、平民を人間とすら思っていないことが伺える。 自分自身の誇りを踏みにじられるような視線に晒されている騎士は、クラウダに対して不快感を一切抱いていなかった。 貴族と言うのは全員こんな風に平民を見下す物だし……今の彼に平民に対する理解を求める事が、どれ程無礼に当たるか位はわかるからだ。 ――暴行された少女の中には、婚約者とのデートの最中だった者がいた。少女は婚約者の目の前で穢され、重症を負わされた当人は、手当ての甲斐なく死亡。 少女も自殺してしまうと言う、一連の事件の中で最も悲惨な事件だった。 目の前の男は、その婚約者の少年の兄にあたるのだ。 彼からすれば、平民は自分の弟を奪った憎い対象……好意的になれるはずがない。 「そうは言われましても……殺されたのは、弟君ですし……」 「はん! 苦もなく恋人を穢されるような軟弱者、弟でもなんでもない!」 「しかし、事実あなたは関わっています……そうである以上、私達は質問せざるをえません」 血も涙もない……吐き気がするような下種な発言だったが、それでも騎士は怒りを抱かずに根気強く詰問を続ける。 弟などではない。その言葉が嘘である事と、その証拠を『星屑騎士団』は既に掴んでいるのだ。 スタンド……その存在と、それを扱える者達の情報は、トリスティン王室の手によって厳重に管理され秘匿されている。 その存在が疎漏することで生じる危険を、未然に防ぐための処置であり、王宮の諜報機関とも密接なつながりを持っていた。 『星屑騎士団』の情報収集は、王宮の諜報機関のそれと同一であり、国営の情報機関はポワチエ家で起こっていたある動きをつぶさに把握していた。 決して少なくない……自分達をフーケ討伐ののけ者にした賄賂のせいで目減りしたかの家の財政を考えれば、かなり苦労しなければ集まらないであろう額の金銭を動かして、傭兵を雇い始めたのである。それも、メイジ殺しといわれる凄腕の連中ばかりをだ。 婚約者の今際の際に兄が立ち会っていたことと、彼の使い魔であるフェレットが町中を駆けずり回っていた事から、『星屑騎士団』はある結論に達していた。 この男が、騎士団にゆだねず自分たちだけの手で復讐を完遂するつもりなのだと。 犯人の人相は、死ぬ間際の弟から聞きだし、使い魔を使って探し出したのだろう。 はっきり言って、無謀極まりない行為である。 目撃者の証言から相手が没落貴族の平民なのだと解釈しているのだろうが……メイジ殺しなどはスタンド使いの前ではてんで役に立たない。 腕の立つメイジ殺しであればあるほど、杖を使うメイジ相手の戦闘になれきってしまっていて、スタンド使いに苦もなく倒されるのが一般的だ。 そもそもからしてスタンド使いの攻撃は、魔法だと前提してしまうと致命的な遅れとなるのだから。 このまま放置して彼らに復讐を委ねては、大惨事になる……彼をこの場に呼び出したのは、それを未然に防ぐのと犯人の情報を聞き出すためだった。 スタンド能力や人相が分かればこちらの物で、承太郎とジョリーンに委ねるだけでいいのだが……先程から全く尋問が成立していない。 クラウダ・ド・ポワチエは、確信に迫る質問をする度に、まるで自子供のように怒鳴り立て、叫び、返答を拒否した……明らかに意図的に、礼儀のなっていない貴族をやっている。 「ふん……! 全く、これだから平民上がりは!」 グチグチつぶやくその姿は……おそらく、擬態だ。本心では己の持つ情報を相手に漏らさぬように、細心の注意を払っているのだろう。 本来のクラウダは貴族としては平均的な平民観を持ってはいたが、ここまで極端に見下し怒鳴りたてる様な人間ではない。 ここまでみっともない方法で事実を隠し通すという事は、弟とその許嫁の敵を自分以外の手に委ねる意思は、毛頭ないと見ていいだろう。 「いいか!? 我らが尊敬するグラモン元帥の家系には、こんな言葉が伝わっているそうだ。 『命を惜しむな、名を惜しめ』と。婚約者を守りきれなかった我が愚弟は、家の名を穢したのだ……!」 「では、復讐などする気はないと?」 「くどい! そんな下らぬ事にかまけている暇はない!」 「そう言われましても、我々はアナタが傭兵を雇ったという情報を入手しているのですよ」 「知らんと言っているのがわからんのか!? この低脳がッ!!!!」 「いやだって、さっきも見せたでしょ、証拠……」 「知らんっ! 平民風情がいくら証拠をでっち上げようが、知った事か!」 こうまで開き直られると、いっその事清々しい位だった。開き直っている事実自体が、質問の内容を証明していたが、それでは意味がないのだ。 彼らが求めるのは事実の究明ではなく、情報の入手なのだから。 これで、頭の中身が低脳ならば放置しても問題ないのだが……有能だから手に負えない。 現に事件からそう日も立っていない……弟の葬式の日程も決まらぬうちに、敵の居場所らしき物を把握しているのだから、無能では断じてないだろう。 尋問担当の騎士は焦っていた……時間がない。 仮にも貴族の跡継ぎを、犯人でもないのに長時間拘束する事はできないのだ。 もしこのままクラウダを返してしまえば彼はその足で雇った傭兵達の下へ赴き、犯人を殺そうと画策するだろう。 正直、背後にある扉に対して、びくついているのだ。いつ、そこが開かれて時間切れだと告げられるか……その瞬間、目の前の復讐に滾る青年と部下の運命は終わり、犯人は地下へ潜るだろう。 この場は隊長である承太郎の方が、効率よく情報を引き出せるのではないか……? いやいや、いっその事スタンドの事を暴露して理解してもらったほうがマシかも……そんな考えが、騎士の考えをよぎって…… ば ん っ ! ! 背後の扉が、乱暴に、乱暴すぎるほどめい一杯開かれ、騎士の心臓の動きを凍りつかせた。 隣の部屋から聞こえてきた声に、モンモランシーは覚えがあった。 ――あの子の恋人のお兄さんだわ! モンモランシーがその恋人を紹介してもらった日に、何故か一緒に居たのを嬉々として紹介された覚えがあった。 いかにも軍人と言う引き締まった体躯と、精悍な顔つき……いかにも、ミーハーな貴族の婦女子が放っておかないような美男子で、モンモランシー自身思わず頬を染めた記憶がある。 なんという偶然だろうと、モンモランシーは思った。彼ならば、妹の自殺の理由を何か知っているかもしれない。 ギーシュ達の用事が終わったら、声をかけてみよう。そう思った矢先に、妙な事に気づいた。 ……明らかに様子がおかしい。モンモランシーはクラウダの事を多く知っているわけではなかったが、あのような罵倒や侮蔑の言葉を平然と吐き散らすような人間ではなかった筈だ。 一体何があったのか? いや、そもそも……何故軍でも出世頭の彼が、こんな場所で取調べを受けているのか!? 疑問を原動力に、彼女は行動を起こした。壁に張り付き、鼓膜に全神経を集中させて……そうして得られた情報は、彼女を絶望のどん底に落とすには十分すぎる物だった。 『姪がその身を婚約者の前で穢された』『婚約者が死んで、姪は自殺した』『その情報をクラウダは握っている』 断片的な情報が脳内で『最悪の事実』としてくみ上げられるのに、大した時間はかからなかった。 クラウダ・ド・ポワチエの弟は、純粋だった。 平民に傲慢なのが貴族の資質だと言うのなら貴族らしさなど欠片もないことになるだろう……貴貧の区別なく優しく接する事のできる、純粋すぎる少年だった。 正直、恋人とは似たもの同士であり、その交際に関しては誰もが祝福し将来の幸せを思い笑顔になった物だ。 それが、たった一人の薄汚い平民の欲望で打ち壊されたのだ。 弟は卑怯にも背後から刺された後に、両手足の腱を切られた。 婚約者は瀕死の弟の前で辱められた。 弟はそのときの傷が元で死に、貞操も婚約者も奪われた婚約者は、自殺と言う道を選んだ。 ベッドに横たわり、瞳に絶望を宿す弟を見て、これは夢だと思い込みたくなった。 前日まで、デートで何をプレゼントしようかと、無邪気にはしゃいでいた弟が! 何故こんな眼にあわなければならないのか! 報いは、必ず受けさせる……! 幸い、弟が見た襲撃者の特徴を知っているのは、彼一人である。 後は他人の力を使わず、弟が襲われた付近を使い魔で探索すればいい……他人の力を借りなければ、情報が漏れる事もないのだから。 弟の名誉と、その婚約者の尊厳は、自分の手で取り戻す。 それが、彼の想いであり……例え相手が王妃殿下であろうとも、譲ることの出来ないものだった。 (ようやく時間か……) 扉が開く音を聴いた瞬間、クラウダは正直ほっとした。愚か者の演技に疲れていたし、こんなところで足踏みをしていられないと言う苛立ちもあった。 一刻も早く行動しなければ、犯人に逃げられてしまう……調べた結果分かった犯人は、一つの場所にいつまでも留まってくれるような頭の愉快な輩ではないのだ。 これ以上続くようなら、犯罪に手を染めてでも抜け出そう。クラウダには、それだけの覚悟があった。 不愉快な時間を終わらせてくれた礼に、ねぎらいの言葉の一つでも投げかけてやろうと、クラウダは視線を闖入者に向けて……言葉を失った。 止める暇など、ありはしなかった。 その闖入者は、騎士が同僚でない事に気づく前に室内に入り込み、静止しようとする前にクラウダの前に立ち、声をあげようとする前に手にした杖を相手の喉に押し付けた。 油断があった。 まさか、待合室にいた人間が、堂々と取調室に乱入するなど予想できなかったという、油断が。 「答えなさい」 「き、君は……モンモラシ家の……」 義憤と涙を瞳に宿す香水の乙女は、クラウダを睨みつけた。 「あの子を穢した犯人は誰で、何処にいるのか……今すぐにッ」 モンモランシーの剣幕と、相手が弟の婚約者の身内であると言う事実……何より、唐突過ぎる状況の変化による混乱が、クラウダの精神を揺るがし、閉じられた真実を吐露させる。 「み、右手の男だ」 「右手?」 「ああ……両方の手が『右手』の男だ」 クラウダがあっさり自供した事により、尋問に当たっていた騎士は二重のミスを犯す事となった。 本来ならばモンモランシーを止めるべきところを、彼は止めなかった。それどころか、その尻馬に乗るように、詰問してしまったのだ。 「で、そいつは今何処に!?」 「ピエモンの秘薬屋、その近くだ……っ!?」 「あ、ちょ、まっ……!」 止める暇も有らばこそ。 モンモランシーは、踵を返し憎しみの対象を目指して走り出し。 その後を追うように、クラウダも椅子を蹴って立ち上がり、部屋を飛び出した。
https://w.atwiki.jp/orisuta/pages/1398.html
オリジナルスタンド図鑑No.5971~5980 ■ No.5981 【案師】 ID 8cOHUFYg0 【絵師】 ID xBT72v3R0 【スタンド名】 シャドウ・スキル 【本体】 無精ひげの男。勝負どころ以外ではやる気がない。 【タイプ】 装備型 / 群体型 【特徴】 二振りの刀 【能力】 生物だけを切る刀と、無生物だけを切る刀。 生物だけを切る刀は、どんな物理的防御でもすり抜けて切ることができる。 無生物だけを切る刀は、生物に危害を加えずに物だけを切ることができる。 破壊力-A スピード-本体に依存 射程距離-E 持続力-C 精密動作性-本体に依存 成長性-C ■ No.5982 【案師】 ID UF2UIi0Wo 【絵師】 ID 8PcBTsHy0 【スタンド名】 インスペクター・ペッパー 【本体】 キャリア組の警察官。 【タイプ】 近距離型 / 生物型 【特徴】 カートゥーンのような見た目の派手な色をした大型の犬のヴィジョン。 ニヤついたような顔をしている。 【能力】 『今いる所に誰も来てほしくない』と思っている人間の嗅ぎつける能力。 (人に目撃されたくない、邪魔されたくない等と思っている人間) 本体はこの匂いを『犯罪の匂い』を呼称している。 『犯罪の匂い』を嗅ぎつけると、匂いの元の詳細な位置を知ることができる。 更に、その匂いの元である人間がどんな人物であるかも知ることができる。 (ただし、分かるのは性別や体格等の漠然とした情報のみ) スタンドは普通に鼻が利きくので、警察犬のような事もさせることができる。 破壊力-C スピード-B 射程距離-D 持続力-B 精密動作性-D 成長性-C 【能力射程】 B ■ No.5983 【案師】 ID 0xVsABDP0 【絵師】 ID QEVbs0FTo 【スタンド名】 ジャアクティック・モンキーズ 【本体】 物凄く邪悪なDQN 【タイプ】 近距離型 / ネタ 【特徴】 物凄く邪悪な人相の小猿 【能力】 周囲の「赤」を「穴」にして、そこに周囲のものを引きずり込ませる能力。 このスタンドは、周囲のに存在する「赤」を、「世界の穴」にすることができる。 「世界の穴」の向こうは「どこか」に繋がっている。 しかし、その「どこか」が「どこ」なのかは本体すら分かっていない。 そしてその「どこか」は「世界の穴」を通じてこちらの世界のものを強力な吸引力で引きずり込む。 穴がものを吸い込む光景はさながらブラックホールである。 本体とこのスタンドが穴に引きずり込まれることはない。 破壊力‐B (穴の吸引力‐A) スピード‐B () 射程距離‐C 持続力‐C 精密動作性‐D 成長性‐D 【能力射程】 10m ■ No.5984 【案師】 ID 0xVsABDP0 【絵師】 ID QEVbs0FTo 【スタンド名】 ゴクアクティック・モンキーズ 【本体】 極悪なDQN 【タイプ】 近距離型 / ネタ 【特徴】 物凄く極悪な人相の小猿 【能力】 触れたものを「出血」させる能力。 このスタンドは、触れたものから血を出させることができる。 血は生物以外からも出血させることもできる。 出血は怪我によるものではなく能力によるもので、 傷口があろうとなかろうと触れたところから出血させることができる。 生物非生物問わず、出血しているものは時間の経過とともにその機能を低下させていき、 最終的には機能できなくなる。 例えば携帯電話のバッテリーを機能不全になるまで出血させれば、 そのバッテリーは何度充電してももう電気が溜まることはない。生物なら出血したら普通に死ぬ。 出血量は調整可能で、 ちょっとずつ出血させてじわじわと苦しめたり、大量出血させて即死させたりできる。 特に相手を大量出血させてその返り血で自身が赤く染まる様はまるで悪魔のようである。 破壊力‐B スピード‐B 射程距離‐C 持続力‐C 精密動作性‐D 成長性‐D 【能力射程】 B ■ No.5985 【案師】 ID q1P5Edec0 【絵師】 ID uz/rkH1Y0 【スタンド名】 サマー・オブ・ラブ 【本体】 頭脳明晰な女 【タイプ】 纏衣装着型 【特徴】 黒に赤いラインの入った全身スーツ 【能力】 触れたものの温度を上昇させる。 空気は常に触れるので、周囲の気温は上昇していく。 その結果、能力範囲内はまるで砂漠のような暑さになる。 直接ものに触れれば、その部分は発火する程に急激に温度が上がる。 スーツの中はいつでも適温に保たれる。 破壊力-A スピード-C 射程距離-なし 持続力-A 精密動作性-E 成長性-E 【能力射程】 C ■ No.5986 【案師】 ID IDJYMp9Zo 【絵師】 ID AGz8oxjV0 【絵師】 ID AGz8oxjV0 【スタンド名】 シュガー・キャンディ 【本体】 金平糖中毒の女の子。常に金平糖を頬張っている。 【タイプ】 自動操縦 / 群体型 【特徴】 色とりどりの金平糖。たくさんある。 【能力】 生物の心拍数に反応し、くっつく。心拍数が多くなるほどたくさんくっつく。 破壊力-E スピード-B 射程距離-∞ 持続力-∞ 精密動作性-E 成長性-E 【能力射程】 ∞ ■ No.5987 【案師】 ID fAuE0sXC0 【絵師】 ID 1RYc7ntu0 【スタンド名】 ミスター・ブルースカイ 【本体】 ある男に救われた戦災孤児 【タイプ】 装備型 【特徴】 青空模様の雨傘 【能力】 このスタンドの上に落ちてきた物を雨水に変える。 石でも雷でもミサイルでも。 人間には効果が無い。 破壊力-なし スピード-なし 射程距離-D 持続力-E 精密動作性-B 成長性-A ■ No.5988 【案師】 ID hHTaY2l00 【絵師】 ID 1RYc7ntu0 【スタンド名】 スノゥ・サイレント・ウィンドゥ 【本体】 雪の様な雰囲気を漂わせる少女 【タイプ】 遠隔操作型 / 範囲型 【特徴】 雲を纏った少女妖精 【能力】 人間を憂鬱な気分にさせる雪を降らす能力。 このスタンドは、まず自身のの周囲に雲を発生させる。 雲が大きくなったら今度はそれを空高く上昇させる。 そして最後にその雲から接触した人間を憂鬱な気分にする雪を降らせる。 雪の効果は普段陽気な人でも目が死んじゃうくらい強い。 ただ、スタンドパワーで中和されるのか、スタンド使いには効果が薄い。 なお、雲は時間が経つと勝手に消える(大体十数分程度)。 破壊力‐E スピード‐C 射程距離‐A 持続力‐B 精密動作性‐D 成長性‐C ■ No.5989 【案師】 ID 0l6Y+OxH0 【絵師】 ID YiJxiT1C0 【スタンド名】 トゥー・ザ・メタル! 【本体】 極端な考えの青年。「勝つ」か「負ける」かしか考えていない模様 【タイプ】 近距離型 【特徴】 時計の針の様な装飾を身に付けた人型。針はみな下を向いている 【能力】 「モノ」の時を止める能力 ここでいう「モノ」とは生命エネルギーが関与していない物の事を指す つまり生物以外の(例えば電動の)物は動力も通らずに停止し、空中であっても静止する 能力発動中に落下ができるのもまた生物のみとなる 完全な固定ではないので、押せばその分動く。軽ければ簡単に動くが、重いモノにはかなりの力がいる 能力発動中に生物が呼吸できるのもそのお陰。仮に空気が重ければ移動すらままならないだろう 破壊力-A スピード-B 射程距離-E 持続力-C 精密動作性-C 成長性-C 【能力射程】 C ■ No.5990 【案師】 ID szgPsZcb0 【絵師】 ID v1joKDSM0 【スタンド名】 グローリー・デイズ 【本体】 工事現場で働く人 【タイプ】 近距離型 / 纏衣装着型 【特徴】 猛々しく立派な巨大な腕 【能力】 「一回り」大きくする能力 このスタンドによって「一回転」させることで二倍、もう一回転することで三倍の大きさになる 回転すればするほどその大きさは増していく 破壊力-B スピード-なし 射程距離-なし 持続力-B 精密動作性-なし 成長性-C オリジナルスタンド図鑑No.5991~6000 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ ルールブック ] [ 削除ガイドライン ] [ よくある質問 ] [ 管理人へ連絡 ]
https://w.atwiki.jp/orisuta/pages/1135.html
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・ ?1「さて・・・と、どうするかな。 ?2「どうするっても、今から大臣の娘をさらいにいくしかねぇだろ? 江藤「・・・(コイツら、さっきの女が目的なのか) ?1「ちょっと確認してみる。 ―Prrrr・・・ あ、もしもし?ベンちゃん? そそそそ、俺だよ! ちょ~っと聞きたいんだけどさぁ? 言われた車を襲撃したら娘じゃなくて一般人が乗ってたんですけど? え?・・・うん、うん。 悪党以外殺さないもんね、説得しとくよ! ・・うん、うん。あい了解~! ―ピッ・・・ ?1「・・・放っといて織須田高校に向かえとさ。 そこに娘がいるそうだ。 ?2「お前・・・そんなキャラだったっけ? まぁ、それは良いが殺さないってのはどういう事だ? ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・ ?1「お前はどうか知らんが、俺たちは正義の執行者だ・・・ 車のドアを開け、中から黒服の死体を引きずり降ろしながら男が答える。 ?1「だから罪の無い一般人を殺す事はしない。 殺していいのは・・・ ―ガッ・・・ 降ろした死体の頭に足を乗せる男・・・ ?1「一みたいな悪党と、それに組みするコイツらみたいなクズだけだ・・・ッ! 分かったら乗れ。さっさと行くぞ。 ?2「はいはい・・・分かりましたよ。 ―・・チャッ その言葉と共に後頭部へ押し当てられていた堅い物が離され、男は車へと歩き出す・・・ 江藤「・・・(助かったのか?) ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・ ?2「あ・・・そうだ、忘れてたわ。 ―クルッ。 男が振り向く。 その手には拳銃が握られており、銃口は江藤へ向けられていた。 江藤「ッ!? ?2「俺は正義の執行者じゃなかったわ。 人を殺せりゃあそれでいいのよ。 ?1「やめろッ!! ――ガンガンッ!! もう一人の男の抑制もきかず、男は引き金を引く。 次の瞬間には無慈悲に頭を打ち抜かれた学生の死体が転がっている筈であった・・・が ドドドドドドドド・・・・! ?2「なん・・・だと? 江藤「・・・! ?1「・・・あり得ん。あり得るはずがない・・・ッ! 黒服「・・・先輩! 大丈夫ですか!? ドドドドドドドド・・・・ 先ほど、足蹴にされていた黒服が江藤と男の間に割って入り、その身を盾にして銃弾を防いでいた。 ?2「死体が動いただと・・・ッ!? 黒服「ガルネリウス・・・ッ! 江藤「・・! 田村ッ!!死体にとりついて・・お前大丈夫かよッ!? 轡を外された江藤が叫ぶ。 黒服(田村)「えぇ、大丈夫ですよ。スタンドがやられなきゃ俺は痛くも痒くも無いですから。 江藤「そういや、そうだったな・・だが、どうしてここに? 田村「俺は・・先輩が女に入れ込むようになってから、ずっと尾けてました。 いつか、昔みたいな尖った漢に戻るのを待ってたんです・・・ 江藤「戻るも何もねぇぜ・・・髪の毛は抜けても牙は抜けちゃいねぇッ! ただその牙を彼女を守るために使おうと決めただけだッ! 田村「それが腑抜けちまってるって言うんだよおッ!! 他の学校の奴らに何て言われてるかアンタァ知らないだろッ!! 『ストッキング番長』とか『ハゲ番長』って言われてるんだぞッ!!!悔しくないのかよッ!! 今だって拳銃突きつけられた位でこんな奴らにビビっちまってッ!! これじゃアンタ、ただのハゲじゃねえかぁッ!! 江藤「・・・!! ?2「おいぃ・・・? 今のは聞き捨てならねぇなぁ? 『こんな奴ら』だと? 興をそがれたんでこのまま学校へ行こうと思ったが 殺る気がフツフツと湧いてきたぜぇッ! ?1「おい、中島ッ!やめろ! 中島「うるせぇッ!俺に指図すんじゃねぇッ! 俺は人間を殺せりゃそれで良いんだッ!! さっきだって全員殺っちまいやがって・・・俺にも殺させろ! ?「殺したら、ボスの命令に逆らう事になるんだぞ・・・! 男は忌々しげに脅しをかけるが、中島と呼ばれた男に耳を貸す様子はなかった。 中島「構わねえ・・・! てめぇ一人でさっさと行けよ、急いでんだろ? それと、命令が終わって帰ったらボスに伝えとけ。 『追っ手をかければ、全員殺す』・・ってな! ?「・・・・後悔するぞ。 中島「後悔? ふはははははッ!生まれてこの方したことねえよッ!! ―バタン・・・ッ。 ―ブロロロロ・・・・ 男が立ち去ると、嫌な空気が周囲に満ちあふれる・・・ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・ 江藤「・・・!(もしかして、これが殺気ってやつか) 田村「え、江藤先輩!何とかしてくださいッ!! 江藤「いや、怒らせたのお前だし・・・ 田村「だってあんなに怒るなんて思わなかったんですよ! 江藤「だよな・・・ご都合主義ってやつか。 中島「何をごちゃごちゃ言ってやがるッ!! 江藤「何でもねぇよ! ・・・田村、腕の縄ァほどいてくれ。 田村「はいッ! 江藤「オッサン、ちょっと待ってろよ・・・ 中島「・・・・・ ―パサッ ほどけた縄が地面に落ちる。 江藤は大きく腰を伸ばして 二、三度肩を回す・・・ ドドドドドド・・・ 江藤「待たせたなぁ・・・オッサンよぉ。 ボッコボコにしてやんっかんな? 田村「さすが先輩!ヨッ!男の中の男!! 中島「(ほぉ~ぅ・・・さっきまでビビってた野郎が生意気な口聞くじゃねえのッ!) ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・! 中島「そんじゃあ・・・ブッ殺すとしますかぁッ!! ―ドギャドギャドギャンッ!! 何の躊躇もなく弾丸を発射する覆面の男・・・ 通常であれば次の瞬間には絶命し倒れる標的がそこにいるはずであった。 だが ドドドドドドドド・・・・! 江藤「セクシャル・バイオレット・・・! 中島「な・・・にッ!? 隆起した地面が盾となり銃弾を受け止めていた・・・ 江藤「弾丸を弾いたりは流石に無理だがよぉ~・・受け止める事なら朝飯前だぜッ!! 田村「さすが・・・・先ッッ輩!! 中島「・・・こいつは驚いた。お前『も』スタンド使いかよ? まぁ、スタンド使いは引かれ合うって事か。・・・ったく、この町はどうなってんだか。 田村「先輩ッ!コイツお前『も』って言ったッ!! 『も』ってッ!! 江藤「あぁ・・聞こえたぜぇ。 昨日今日と連戦かよ・・・ 最近やたらとスタンド使いと会うんだよなぁ~・・・ 中島「はぁ~ん・・お前もかよ。 て、事はそれなりに実戦経験もあるって事だよな? ・・・面白えッ!殺りがいがあるってモンよ!! そう言って、中島は拳銃を捨てる・・・ 田村「あ、チャンス! うしゃあぁあーッ!!死にさらせぇーーッ!!! 江藤「馬鹿やめろ! ―グバアァアアッ!! 江藤の制止も聞かず、田村(黒服)は目の前の男へと飛びかかるッ! 中島「阿呆が・・・! ―・・・スッ 田村「何だそりゃぁッ!? 両手を前に突きだして嫌々のポーズかよッ!? ―ズ・・・ブッ! 田村の動きが直前で止まる・・・ 田村「・・・・え?こ、これはッ! 中島「救いようのねぇ阿呆だな・・・! ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・ 中島の掌からは無数の刃が生えており、その刃は田村(黒服)の身体を貫通し動きを止めていた・・・ 田村「・・・ゴフッ! 中島「まず一人・・・! 江藤「た、田村ぁーーッ!! ドドドドドドド・・・・ ―キーンコーンカーンコーン・・・お昼の時間でし!本日購買部にて焼きそばパンが二割引でし! 生徒諸君は購買部へ急ぐでしッ!! 中条「うおぉおおおおぉお~~ッ!! どけどけぇー!焼きそばパンッ!! ―ダダダダダダッ!! チャイムと同時に購買部へ向けて疾走する中条! 中条「(ここは三階、購買部は一階!廊下を一直線に駆け抜け端にある階段へ向かいたいところだが・・・この時間は混雑必至ッ! 敢えてベランダから出て端の教室まで抜けていくッ!!) ―ダダダダダダ・・・ッ! 中条「(くッ・・!やはり階段はすし詰め状態か・・・ だがしかぁ~しッ!! 俺にはスタンドがある! マーラ・ザ・ビックボスッ!!) 「早く行けよ!売り切れちまうだろ! 「うっせー!行きたくても前が詰まってんだよ! 「きゃあッ!誰かお尻触った!! ―ガヤガヤ・・・ 中条「(いっけぇ~ッ!!) ―シュルシュルシュル・・・ 生徒「ん、何だ? ―グイィッ!! ビックボスの触手を目の前の生徒達の隙間にねじ込み、横に押しのける・・・ これにより、十戒のように中条の目の前にある人の海が割れていくッ! 中条「フヒヒッ!これで焼きそばパンは俺のものだあぁあ~ッ!! ―・・ザッ! 購買部に一番乗り・・・ではなかったが、まだ生徒はまばらにしかいない。確実に目当ての物はまだあるだろう。 中条「おばちゃん!焼きそばパン二つ頂戴! ・・・しかし おばちゃん「ごめんねぇ~、売り切れちゃったのよ・・・ 中条「な・・・馬鹿な・・・! ありえないッ! (まさか新手のスタンド使いの仕業か・・・!? ) ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・ 中条「んな訳ねぇか・・・ 考えてみりゃ一階の三年の奴らの方が断然早く着くんだもんなぁ・・・早く三年になりたいぜ。 ―ガララ・・・ッ。 目当ての物が買えなかったため、別の物を購入し教室に戻る。 大和久「おぅ中条、焼きそばパン買わねえか? そこには大量の焼きそばパンを売りさばく大和久の姿があった・・・ 中条「んなッ!?な、何で!? O・C「ご説明しましょう。 実はマスターは授業が終わる前から購買部へ行っていたのです。 大和久「(お前・・勝手に出てくんなよ) 中条「あ・・・まさか・・・!スタンドを使ってッ! O・C「そう・・・あなた方が見ていたのは教室に座っていたマスターの過去の姿・・・ 本当はとっくに居なかったのです・・・! 中条「・・・・!(昨日もだったが、スタンドの使い方がセコいな) 大和久「いるのかよ? お前なら知り合い特価で250円で良いぜ? 中条「250円って・・定価じゃねえかよ。一体いくらで売ってんだ? 大和久「あ?400円だよ。 握手つきで400円。 ・・・はい、毎度~。 パンを買った女子生徒にお釣りを渡す際にさり気なく手を握るように添えて渡す大和久・・・ お釣りを受け取った女子はその場を離れた後、友人とキャイキャイ騒いでいた。 中条「あ・・なるほどそういう事か。 大和久「セコいとか思ってんだろ。 手紙返すのだって金がかかんだ・・・察しろよ。 それに見た目が良いってのは天が与えた一種の才能だ。 その才能を使って彼女らに使う金を稼いでるんだ。しかもちょっとした触れ合いのオマケ付き・・・ あ、お前にこの苦労は分からねえか。なんかごめんな? 中条「んだと!てめぇッ!! 大和久「本当の事だろうがッ!! 川上「・・・(また喧嘩してる・・でもこれでいて本当、仲が良いのよねぇ) ―ガタッ! いづみ「静かにしてくれるかしら!? 無言で座っていた転校生が、中条達に不快感を示す。 ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・ 中条「すんません、一さん。 ・・・あれ?お昼ないんすか?しかも一人? 内心「やっちまった」と中条は思った。 今の言い方は明らかに馬鹿にした口調であったから。 午前中・・毅然とした態度で彼女を猛烈に批判した委員長は 父親が急遽、海外転勤になったらしく放課後にお別れ会が行われる予定だ。 やもすれば自分も同じ目にあうかも知れない・・・ だが、返ってきたのは予想外の答えであった。 いづみ「ここの購買部はカードも使えなくて困るわね! というか、いつもはお付きの黒崎が食事の手配をしてるのッ! それに転校初日だし・・・今日はたまたま・・・たまたまよ! 目にうっすらと涙を浮かべ気丈に振る舞おうとするいづみ。 もしかしたら案外打たれ弱いのかもしれない・・・そんな事を中条が考えていると、自分の顔の脇からにゅっと腕が伸びるのが見えた。 いづみ「・・・・なに?焼きそばパン? 大和久「飯も金もねぇんだろ? 今日は特別に奢ってやるよ。 オラ、机こっちに持って来い。 中条「・・・!(コイツッ!計算なのか!?マジでこんなくせぇ事平気で出来る性格かッ!?) 川上「(朝撃たれたってのに、甘いなぁ・・・ホント。) いづみ「・・・毒が入ってたりしないでしょうね? 大和久「アホか。する訳ねぇだろ。 オラ、とっとと食えよ!昼休み終わっちまうぞ? いづみは促されるままに焼きそばパンを頬張る・・・ ―もむ・・もむ・・・・ いづみ「・・・おいしい。 大和久「だろ?これに牛乳が最高に合うんだぜ。 中条「(味オンチめ・・・) と、ここで中条はある事を思い出す。 そういえば、今朝大和久はえらく不機嫌であった・・・ 中条「なぁおい、お前朝超キレてなかったか? 大和久「あ?キレてねぇよ。 単に目が疲れてて時計がよく見えてなかっただけだ。 中条「時計が?時間なんか気にしてたのか? 大和久「・・・飯時に言わせる気か? 中条「あぁ~・・そう言う事。 いづみ「最初に案内してもらったのがトイレだったのはそういう事だったのね・・・ 川上「礼司・・もしかして目ぇ悪くなった? 大和久「あぁ?んな訳ねえよ。昔から両目とも2,0だぜ。 川上「ちょっとこれ読んで見て。 そう言って教科書を見せる川上 大和久「・・・ん?・・・ ・・・ 中条「読めねえのか? 川上「今度2人でメガネ屋に行こうか?ね?選んであげるからさ。 いづみ「ちょっと・・・!あなた何よ?馴れ馴れしいわよッ! 川上「彼女なんだから当然でしょ? いづみ「・・・・・・ ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・ 和みかけていた空気が、再び冷えはじめる・・・ 中条「(あぁ・・川上、さよならだな。 あんまり話した事はねえが、お前のこと嫌いじゃなかったぜ・・・) 大和久「・・・おい、一。 一つ言っておくが、俺は他人の権力を盾に威張りくさる奴ってのが大嫌いなんだ。 俺と結婚したいなら、親の力に頼らねぇでてめぇ自身の魅力でコイツ(川上)から俺を奪ってみせろ・・・! 中条「(こ・・・こいつッ! いきなり結婚とか頭オカシいんじゃねえのッ!?どんだけ自信あるんだよ!?) ドドドドドドド・・・・ いづみ「・・・・わかったわ。 中条「・・・え? いづみ「本当はこの女に、ブラジル当たりに行ってもらおうと思ったけど、あなたがそう言うなら仕方ないわね・・・・ 正々堂々・・・あなたから『結婚してくれ』と言わせてみせるわッ!! 川上「フン・・・やれるもんならやってみなさいッ!! 川上「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ! いづみ「ほぅ・・・突きの速さ比べか、面白い。受けて立つ! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄! ―ゴガッ!ゴガガガガガガガッ・・・! 昼休みの教室で突如として始まる闘い・・・ 互いの拳がぶつかる度に、空気は激しく振動し窓ガラスにヒビが入るッ! いづみ「無・・・・駄アァッ!! ―グワアッ!! 一瞬の隙を突き、いづみが強烈なパンチを放つ! 川上「ッ!オァアアッ!! ―ドガッシイィイイッ!! 超反応を見せた川上が、そのパンチを受け止めるとほぼ同時、2人を中心とした衝撃波が発生し 中条と大和久、そして哀れにも周辺にいた無関係のクラスメイトが吹き飛ばされるッ!! いづみ「今の一撃を受け止めるとは・・・貴様やるなッ! 川上「フン・・・もしかして今のが本気のパンチだってのか? ほんのちょいとブレザーの袖が破れただけだぜ・・・! いづみ「減らず口をッ!! ならば力の差を思い知らせてやる・・・! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄アァッ!! 川上「オオラオラオラオラオラオラオラッ!! ―バギャギャギャギャギャギャ・・・ッ!! 互いが互いの拳をぶつけ合う衝撃で、今度は2人の身体が宙へと浮き上がって行く・・・・ 中条「す・・・すげぇ・・・! 大和久「これが・・・Sランク同士の闘い・・・! 息をのみ、傍観する2人を無視し、拳をぶつけ合う2人はやがて舞台を外へと移し 宙に浮いたまま闘いながら、彼方へと消えてゆく・・・! ドドドドドドドドドド・・・・
https://w.atwiki.jp/yarukagajojo/pages/37.html
かつて野比のび太と共に暮らしていた猫型ロボット。 未来ののび太の子孫・セワシによってのび太の過去の人生を書き換えるためにのび太の下へやってきた。 実は、過去の時代でスタンド使いとなる人物を保護する「S保護部隊」というタイムパトロールの一部隊の隊員でもあり、のび太の下へやってきたのは将来スタンド使いとなるのび太を保護するためでもあった。 また、彼が持っていた「ひみつ道具」は過去の時代のスタンド能力を科学によって再現した物である。 (余談だが、ドラえもんのひみつ道具とスタンド能力との関連性は過去にも色々なところでネタにされている) 矢の男が不二子町を壊滅させた際、のび太の目の前で矢の男に殺害・破壊された。
https://w.atwiki.jp/orisuta/pages/1223.html
オリジナルスタンド図鑑No.4821~4830 ■ No.4831 【案師】 ID sdXsIL3Z0 【絵師】 ID 1GZmKqDS0 【スタンド名】 クラッシュ・ダイブ (捨て身の潜行) 【本体】 スタンドを研究する機関所属の男。 実は現役テロリストであり、「研究材料」はテロ活動のついでに調達する。 【タイプ】 近距離型 【特徴】 赤色の縦縞模様の人型。顔は牙を剥き出しにした凶暴そうなイメージ。 この能力によって発現する『自爆スタンド』は寂しそうな表情を浮かべる爆弾型のスタンド 【能力】 スタンド使いでない者に触れることで、『自爆スタンド』を与える能力。 『自爆スタンド』は、その名の通り本体となった者ごと自爆するだけのスタンドである。 『自爆スタンド』を自爆前に倒せば爆発は阻止できるが、本体となった者は当然死ぬ。 【このスタンド自体】 破壊力-E スピード-C 射程距離-D 持続力-C 精密動作性-E 成長性-D 【自爆スタンド】 破壊力-A スピード-E 射程距離-E 持続力-E 精密動作性-E 成長性-E ■ No.4832 【案師】 ID FRDO1CrK0 【絵師】 ID QI+xKGWzo 【スタンド名】 アメリカン・スプレンダー 【本体】 かなり物持ちのよい男子高生。靴や帽子なら7年は持たせられる 【タイプ】 近距離型 【特徴】 両肩にエメラルドのような緑色の宝石が輝いている人型。 【能力】 物の命を少しだけ引き出して他の物に移す能力 例えば靴底に穴が空きそうな靴と、買ったばかりの服から命を移せば、 服は買ったばかりにしてはボロい仕上がりとなるが靴の延命が叶う。 あまり多くの命を引きだすのは無理である。 破壊力-E スピード-B 射程距離-D 持続力-D 精密動作性-D 成長性-C ■ No.4833 【案師】 ID NVzVvfeDO 【絵師】 ID vxcYSvcJo 【スタンド名】 ヘルター・スケルター 【本体】 チンピラっぽい見た目の男、都会育ち 器が小さく何かにつけて文句を言いたがる 【タイプ】 近距離型 / 人型 / 物質同化型 【特徴】 アイスホッケーの防具のようなゴツイパーツの隙間から 煙のように濁った気体が吹き出して人型になっている 体を拡散させて巨大なビジョンを紡ぐこともできるが当然パワーは落ちる 【能力】 二酸化炭素と同化して発現する。 周囲の二酸化炭素濃度が高いほど強力なパワーを発揮できるが、 逆に低いと発現すらままならない。 また、二酸化炭素中毒や温室効果など、二酸化炭素に由来する現象を スタンドパワーによって増幅した形で、スタンド体内で再現することができる。 二酸化炭素を媒体として発現するため、本体へのダメージフィードバックは全くない (そもそも気体であるため普通の攻撃はダメージにならない)。 破壊力-E~A スピード-C 射程距離-D 持続力-C 精密動作性-D 成長性-C ■ No.4834 【案師】 ID 67350n4oo 【絵師】 ID vxcYSvcJo 【スタンド名】 ツイスト・アンド・シャウト 【本体】 「捻じれ」を売りとする新進気鋭のインテリア家具デザイナー兼家具職人。 手作りなのに安い値段がウリ。 【タイプ】 近距離型 【特徴】 変わった球体関節をしている人型。人体の構造的に曲がってはいけない方向にも曲げる事が出来る。 【能力】 触れた物を捻じ曲げる事が出来る。 どんなに硬い物でも脆い物でも捻じ曲げる事が出来るが、捻じ曲げる際のダメージはゼロ。 曲げた物は本体の意思以外で元に戻すことは出来ず、解除しない限りずっとそのまま。 大抵は殴った勢いを用いて能力を使うのだが、しっかりと両手で能力を使えば精密な加工も可能。 破壊力-A スピード-A 射程距離-E 持続力-A 精密動作性-B 成長性-A ■ No.4835 【案師】 ID NUd71bfM0 【絵師】 ID vxcYSvcJo 【スタンド名】 セカンド・ハンド 【本体】 元気な少年 【タイプ】 近距離型 【特徴】 人型。キャッチャーマスクを装着している 【能力】 スタンドが触れた不定形の物をボール状にして掴む。 火や水といった形が定まっていない物の形状を野球のボールサイズに変化させて掴み投球できる。 非常に精密な投球コントロールが可能。 破壊力-B スピード-B (投球速度-最高150キロ) 射程距離-D 持続力-C 精密動作性-A 成長性-D ■ No.4836 【案師】 ID AAWmYySSO 【絵師】 ID QY7IDT1I0 【絵師】 ID QY7IDT1I0 【スタンド名】 スパイダー・ウェブ 【本体】 スタンド耐性が低く生きながらにして死体と化した少女。 病院のベッドで意識を持ちながら指先すら動かせない状態でいる 【タイプ】 遠距離型 【特徴】 蜘蛛の巣の様に張り巡らされた赤い糸 【能力】 半径50m四方の蜘蛛の巣に触れた人間のデータを全て知る能力。 知るだけで動けない本体にとってはどうしようもない。 それ所か知りたくない情報まで知る事になる。 破壊力-なし スピード-なし 射程距離-A 持続力-A (引っ込められない) 精密動作性-なし () 成長性-なし 【能力射程】 A ■ No.4837 【案師】 ID UXRbtgym0 【絵師】 ID vxcYSvcJo 【スタンド名】 エンヴィ・キャットウォーク 【本体】 釣り目の少女、黒髪ロングセーラー。 【タイプ】 近距離型 【特徴】 ツギハギの多いネコ型スタンド、質感は人形。 【能力】 殴った相手を「小物」にする能力(メタ的な意味で)。 どんなにラスボスっぽい風格の相手もこのスタンドに殴られると噛ませ犬フラグを乱立する。 破壊力-B スピード-B 射程距離-E 持続力-A 精密動作性-C 成長性-B 【能力射程】 D ■ No.4838 【案師】 ID J959wws3o 【絵師】 ID vxcYSvcJo 【スタンド名】 じゃこらん 【本体】 オレンジと黒で彩られたデカい扇を持った和装の魔女 【タイプ】 近距離型 【特徴】 カボチャ頭の二頭身の人型 【能力】 カボチャを操る能力。 スタンドの半径10mの範囲内ならば、 空からカボチャを落としたり地中からカボチャを飛び出させたり、 スタンドの生み出したカボチャを投げたり、カボチャの種をマシンガンのように吐き出すなど、 カボチャに関することならだいたいなんでもできる。 破壊力-B スピード-B 射程距離-E 持続力-C 精密動作性-B 成長性-B 【能力射程】 C ■ No.4839 【案師】 ID Rnmb6azn0 【絵師】 ID vxcYSvcJo 【スタンド名】 ベイルート 【本体】 東ヨーロッパの小国の没落王族の血を引く女性で、日本人とのハーフ。 すらりとした細身の長身と長いブロンドの髪が特徴。 自らの血筋を誇りに思っており、常に高貴な行動をこころがけている。 さばさばとしたしっかりものだが、時折抜けているところを見せる 【タイプ】 近距離型 / 軍体型 【特徴】 甲冑を着た騎士。武器は剣。 【能力】 髪の毛や血、切った爪など、自分の体の一部を騎士に変身させる能力。 騎士は本体の体力が持つ限り、制限なく増やすことは可能だが、せいぜい10体までが目安で、 騎士を増やせば増やすほど騎士一体ごとの戦闘力は落ち、 維持に本体の体力と集中力を擁し、また単純な命令しか遂行できなくなる。 破壊力-B スピードC 射程距離-B 持続力C 精密動作性D 成長性B ■ No.4840 【案師】 ID tnmN2ulDO 【絵師】 ID lsQ8COBko 【スタンド名】 アストラル・ウィークス 【本体】 神秘的な雰囲気の青年 夜になると、外に出て星空を眺めるのが日課となっている 【タイプ】 近距離型 【特徴】 星空を模した模様の手足、月の形をした宝玉が胸に埋め込まれた人型スタンド 【能力】 このスタンドの拳で作った「窪み」を繋ぎ、星座ができた時、 その星座の元となったものを具現化する 水瓶座なら水瓶、蠍座なら蠍を具現化して操ることができる 具現化したものの大きさは、作った星座の大きさに比例する また、星座は同じ平面に作らなければ能力が発動しない ちなみに、スタンドで作った「窪み」は青白く発光する 破壊力-B スピード-B 射程距離-D 持続力-C 精密動作性-C 成長性-A オリジナルスタンド図鑑No.4841~4850 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ ルールブック ] [ 削除ガイドライン ] [ よくある質問 ] [ 管理人へ連絡 ]
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2566.html
そもそも康一が戦いの場に戻ってきたときには、もう手遅れだったのだ。 距離は遠く、敵はすでに必殺の体勢を整えていた。 ガンダールブの俊足を持ってしても手が届かないほどに。 そう、ガンダールブなら間に合わなかった。 しかし康一はガンダールブである前に、スタンド使いだった! ズドォーン!!! 巨大な岩が打ちつけられる音がした。 死んだと思った。 でも、いつまで立っても衝撃が訪れないので、ルイズは恐る恐る目を開けた。 目の前にゴーレムの拳があった。 しかし、その半ばまでが地面にめり込み、動きを止めていた。 「射程距離5mニ到達シマシタ!S.H.I.T!!」 そのそばに浮かぶ、白い人影。 「あ、危ないところだった・・・!!ギリッギリ間に合ったよ!!」 そして拳とルイズの間に阻むように立つ康一の背中。 康一は振り向いて笑った。 「大丈夫だった?」 我慢していたものが溢れた。 怖くて、安心して、訳の分からないうちに気がつくと涙がこぼれていた。。 「こ・・・怖かったわよ・・・!早く戻ってきなさいよ!バカっ!!」 「ご、ごめん。」 康一は女の子の涙に狼狽えながらも謝った。 ゴーレムは急に重くなり、動かなくなった右腕を持ち上げようとして、逆にバランスを崩して膝をついた。 至近距離なので砂埃が舞い、二人は目を細めた。 「でも、そのへんはこいつを倒してからだよね。」 「・・・大丈夫なわけ?」 ルイズはずずっと鼻をすすった。 「うん。あいつを倒す方法を思いついたんだ。だから・・・」 ゴーレムは右腕を持ち上げるのをあきらめ、無事な左腕を振りあげる。 「ちょっとごめんよ!」 「え?きゃぁ!!」 康一はデルフリンガーを逆手に構え直し、ルイズを横抱えにした。 いわゆる「お姫様だっこ」というやつである。 降りおろされる左腕を横っ飛びに回避する。そして動かないままの右腕を駆け上がった! ルイズは慌てて康一の首にしがみつく。 康一はゴーレムの肩口から飛び上がり、ゴーレムの頭のてっぺんに着地した。ルイズを降ろす。 「な、なんでこんなところに来ちゃうのよ!」 ルイズが悲鳴をあげる。 「5m以上離レマシタ。3FREEZE、解除シマス。」 ACT3が忠告する。 自由になった土の巨人が立ち上がる。 康一はデルフリンガーをゴーレムの頭に突き立て、もう片方の手をルイズの腰に回し、振り落とされないように踏ん張る。 ゴーレムが立ち上がった。もっとも高い、頭のてっぺんは20m近い。 「こ、これ危ないんじゃないの?こんな高いところにいたら逃げられないじゃない!」 下を見るのも恐ろしいほどの高度。逃げ場はない。 「大丈夫だよ。この、『背筋が伸びた状態』がいいんじゃあないか。」 康一に動じる様子はない。 「君の使い魔を信じてよ。」 もうルイズは康一に全部任せることにした。 「もう・・・知らないからね!!」 ルイズは顔を押しつけるようにして、康一にいっそう強くしがみついた。 ゴーレムが頭の上の康一たちをとらえようと両手を伸ばす。 康一は高らかに叫んだ。 「たしかに逃げ場はない!でもチェックメイトだ!!ACT3!!」 「3FREEZE!!!」 ACT3は、康一が乗っている、ゴーレムの頭部の重量を激増させた。 ガンダールブの力を加えられたACT3による、0距離、最大出力の3FREEZE!! ズウゥゥゥン!!!! 抗すべくもない。 瞬きする間もなく、数百トンの重量を持たされた頭部は、それを支えるすべての部位を圧壊し、押しつぶした。 その衝撃で地面が陥没し、クレーターを形成する。 砂埃が、辺縁で巻き上がる。しかし康一とルイズのいる中心部では埃一つたっていない。 「すごい・・・・」 あっけにとられるルイズ。 康一が少し恥ずかしげに鼻の下をこする。 「へへ、だからいったでしょ。君の使い魔を信じてって。」 ゴーレムを倒した二人が、クレーターから出てくると、ミス・ロングビルが駆け寄ってきた。 「ミス・ヴァリエール。コーイチさん。大丈夫でしたか!?」 「ええ、ぼくたちは何とも。ミス・ロングビルこそ無事だったんですね!」 「はい。フーケらしき男に当て身を受け、気を失っていましたが・・・。」 ミス・ロングビルは首元を撫でた。 上空からシルフィードも降りてきた。 飛び降りてきたキュルケが康一に飛びついた。 「すごいじゃないのダーリン!あのゴーレムを倒しちゃうなんて!!」 顔を離していたずらっぽく笑う。 「でも、あの『能力』のことは今度しっかりと教えてもらうわよ。」 タバサも後を追って降りて来た。 「油断は禁物。術者が近くにいるはず。」 一行は周りを見回した。ゴーレムが動きを止め、森からは木々のざわめきや鳥の声以外の何も聞こえない。 「そういえば、『弓と矢』は?」 ミス・ロングビルが尋ねる。 「あ、それならここに。」 康一はゴーレムの土の中から掘り出した矢を取り出してみせた。足下にある弓も拾って、ロングビルに渡す。 「ああ、よかった・・・。」 ほっとするロングビルに、杖を拾ったルイズが言う。 「でも、その『弓と矢』は何の魔力もないと思うわ。ゴーレムに撃っても全然効果がなかったもの。」 「いや・・・」 康一は矢の不思議な文様を見ながら言う。 「それはそうやって使うものじゃないんだ。」 「え!?」 「コーイチさん。この『弓と矢』の使い方を知っているのですか!?」 康一は頷いた。 「ええ。まさかとは思っていました。この世界にあの『弓と矢』があるわけがないと・・・。」 「でも、間違いありません。それはぼくの知るあの『弓と矢』です。それと同じものがぼくにスタンド能力を与えたんです。」 ロングビルはごくりと生唾を飲み込んだ。 「そ、それでその使い方は・・・。」 「それは・・・帰ってからオールド・オスマンと一緒に説明します。みんなにももう知っておいてほしいことだから・・・。」 ミス・ロングビルは小さくため息をついた。 「・・・・そうですか。それじゃあしょうがないですね。」 気がつくと、杖を抜いている。数語の詠唱。 最初に異常に気がついたタバサが杖を構える前に、ミス・ロングビルの詠唱は完了していた。 あたりの土が盛り上がり、ミス・ロングビル以外の4人の体を拘束する。 「こ、これは!?」 康一も剣を抜く暇がなかった。 タバサが珍しく悔しさを滲ませて答える。 「『アース・バインド』土のトライアングル・スペル・・・。」 「そんな!ミス・ロングビルは土のラインのはずでしょ・・・!」 キュルケが叫ぶ。 タバサはミス・ロングビルから視線を離さない。 「うかつ・・・。彼女が土くれのフーケだった。」 ミス・ロングビルがにやりと笑った。大きく手を叩く。 「ブラボー。ブラボー。・・・・と言ったところかね。さすがはシュバリエ、頭の回転が速いねぇ。」 メガネを取り、斜に構えると、大人しそうな風貌がはぎ取られ、皮肉げなアウトローのそれへと変貌した。 口調もはすっぱなものへと変わっている。 「ミス・ロングビル!あなたがフーケだったんですか!?」 康一は裏切られたように思った。彼女は康一がこの世界に来てから最も信頼できる女性の一人だったからだ。 「そうさね。秘宝『弓と矢』を盗み出したはいいが、使い方がわからなくてねぇ。」 「捜索隊を出すなら使い方を知ってるやつが来るだろうと踏んだのに、まさかオールド・オスマンすら使い方を知らないと知ったときはどうしようかと思ったけれど・・・」 康一を見る。 「まさかあんたが知ってるとは、ついてるねぇ。」 康一はエコーズで攻撃しようと思った。 魔法と違って、体が動かなくてもスタンドは動かせる! しかし、その前にフーケが釘を刺した。 「おっと、コーイチ。それにそこの風竜も!ちょっとでも妙な動きをしたら、その場で全員殺すからね。さぁ、『弓と矢』について話してもらうよ!」 きゅいー!シルフィードが鳴くが、タバサを首を横に振った。 康一は思った。話すわけにはいかない! 話せば、彼女か、彼女が渡した人間が、虹村形兆や写真の親父と同じことをする!! ためらう康一にフーケは目を細めた。 「そんなに悩むなら、話しやすくなるようにしてやろうかねぇ。」 グググッ!! 康一以外の三人を締め付ける土の圧力が強くなる。 「いっ・・・・」 肺から空気を押し出され、そろってヒューヒューとした息を吐くばかりだ。 「わ、わかった。話す!話すから!」 「そうそう。大人しく話せば丸く収まるのさ。安心しな。私はあんたを気に入ってるんだ。話すなら誰も殺しはしない。」 康一は観念した。 知っていることを話す。 自分は日本という国・・・ハルケギニアからすると多分異世界からきたこと。 矢で胸を貫かれ、スタンド能力に目覚めたこと。 スタンドはスタンド使いによって一つ一つ同じものはないこと。 「つまり・・・」 フーケは『弓と矢』に視線を落とした。 「これで私を刺せば、私も「スタンド」が手に入るかもしれないってわけだ。」 フーケは矢尻を自分の腕に近づけた。 しかし思いとどまる。 「いや、あのエロジジイはこの矢が平民の手に渡れば、といった。メイジの私が使うのは危険かもしれないね。」 「それよりも、これを使って平民にスタンド使いを増やせば・・・。ふふふ、なるほど。それが世界の滅び、だね。高慢な貴族共が支配する世の中が終わるって訳だ。」 やはりそうだ。康一は思った。 この人は、この矢を自分の欲望のために使おうとしている!! 「しかし・・・」 フーケは康一の眉間に杖を突きつけた。 「スタンドは実際に見ているからともかく、異世界とはまた突拍子もないねぇ。適当言ってごまかそうっていうんなら・・・」 「証拠はあるよ!ぼくが日本から来たって証拠が!ルイズにはもう見せてる!」 フーケはうろんな眼差しをルイズに向けた。 ろくに息もできないルイズは、ただコクコクと頷く。 康一を拘束していた土の戒めが解けた。 「じゃあ、見せてもらおうか。ゆっくりとだ。ほかの三人はいつでも殺せるってことを忘れるんじゃあないよ。」 康一は黙って頷いた。 フーケを刺激しないように、ゆっくりと財布から100円玉を出して、目の高さに掲げてみせる。 「あなたが盗賊なら、これの意味が分かるはずだ。」 フーケは目を細めた。 白い輝き。銀貨?いや、感じが違う。鉄でもない・・・。 「こっちに放りな。」 康一は親指でコインを弾いた。 コインは弧を描いてフーケに飛んでいく。 しかし、飛ばした一瞬、緑色の何かが見えた気がした。 直前。とっさにフーケはコインを避けた。 盗賊の勘。康一は今、何かを企んでいた! 避けざまに杖を振る。再び土が康一を拘束し、しめつけた。 「妙な動きをするな。と、いったはずだよ。」 康一を睨みつける。 康一は何も言わず、黙って圧力に耐えている。 フーケはコインを杖でつついてみた。 コツコツ。 ・・・何も起こらない。このコインに何か細工をしたのかと思ったんだが・・・私の気のせいか。 フーケはしゃがんでコインを拾う。 康一は忌々しげに言う。 「あの吉良吉影のまねごとはしたくなかったんだけど。」 「え?」 フーケの指が、コインに触れた。 コインに張り付けられていた「文字」のエネルギーが爆発する! ドッゴォォォォォォーーーン!!!! 反応する間もない。 至近距離で発生した爆風に、フーケは上空高く吹き飛んだ。 フーケが吹き飛んだ爆風は、周りにそよ風一つ起こしていなかった。4人の戒めが解かれる。 自由になった康一はふーっと大きく息をつき、服に付いた土を払った。 「まぁエコーズの場合は文字の『実感』を与えるものだから、吉良吉影のキラークイーンとは少し違うんだけどね。」
https://w.atwiki.jp/orisuta/pages/911.html
オリジナルスタンド図鑑No.3751~3760 ■ No.3761 【案師】 ID 5s69kbdAO 【絵師】 ID 9LAhpd79o 【スタンド名】 リトル・テンポ 【本体】 陽気な南国娘。生まれついてのスタンド使い。 【タイプ】 遠隔操作型 / 自我あり 【特徴】 ケンタウロスのように下半身が犬になっている小人。体に注連縄が巻き付いている。 【能力】 物体の魂「九十九神(ツクモガミ)」を操ることができる。 これにより、サイコキネシス的な物体の遠隔操作が可能。 成長次第で他にもいろいろできるかもしれない。 九十九神は「物の幽霊」と似ているが、 現存する(生きている?)物体にも憑いているのが大きな特徴。 それゆえか、本体の言うことをよく聞かない九十九神も多い。 このスタンド曰く、『物は持ち主に似る』らしい。 破壊力-なし スピード-C 射程距離-B 持続力-B 精密動作性-E 成長性-A ■ No.3762 【案師】 ID Yh5pccFD0 【絵師】 ID wPopC2Pi0 【スタンド名】 ラジカル・メッセージ 【本体】 古代のロマンに魅せられた駆け出し考古学者 発掘した物の整理を任された際に『矢』で指を切ってしまい、スタンドが発現した 【タイプ】 装備型 【特徴】 古めかしい装飾がなされた錆色のスコップ 【能力】 このスコップで土を掘って食うことで、その土地の記憶(文化や言語・歴史)を知ることができる 浅い部分の土を食えば最近の記憶、深い部分の土ならば大昔の記憶を知ることができる また、より多くの土を食うことで記憶の細かい部分まで知ることができる しかし、基本的にはただの土であるためあまり食べ過ぎると気分が悪くなる このスタンド自体は戦闘能力は無いが、武器にするくらいなら可能 破壊力-C スピード-C 射程距離-E 持続力-A 精密動作性-C 成長性-B ■ No.3763 【案師】 ID lu7GPKgF0 【絵師】 ID gTdyuFv9o 【スタンド名】 ダスティ・スプリングフィールド 【本体】 ピエロのメイクをした黒ずくめの男性。 【タイプ】 近距離型 【特徴】 手足、胴体がバネのようになっている人型。オモチャの様な外見をしている 【能力】 ドアや箱などを『ビックリ箱』に替える ビックリ箱の仕掛けは一度開ければ終りである。 飽くまでオモチャであって直接的な攻撃力は無いが、そのビックリ箱でビックリしたものは スタンドによって魂を引きずりだされ、箱の中に閉じ込められてしまう。 破壊力-なし スピード-B 射程距離-C 持続力-A 精密動作性-B 成長性-C ■ No.3764 【案師】 ID yRCG/LQu0 【絵師】 ID qsXq4AkU0 【スタンド名】 フォクシー・レディ 【本体】 『鬼火』という異名を持つ近づきがたい雰囲気の暗そうな少女。 本人は至って普通の人懐こい少女。 【タイプ】 近距離型 【特徴】 炎のように全身が揺らめいている人型。狐っぽい。 直接的な戦闘力は持たず、主に周囲にある炎を操る。 【能力】 炎を操る。 操った炎は火種を離れ、酸素さえあれば無限に燃え続けることができるようになる。 操った炎はスタンドに干渉することはできないが、ある程度の「形状」を与えられる。 操った炎は火勢を変えることはできないものの、熱量だけなら自在に変化させられる。 当然、熱量を上げて周りを火の海にすることも可能だが、 燃えている物から火を遠ざけて消火に使うことも可能。 青い炎(超高温)が陰気な少女の周りを揺らめくその姿は、まさに『鬼火』である。 破壊力-D スピード-B 射程距離-E 持続力-C 精密動作性-A 成長性-A 【能力射程】 C ■ No.3765 【案師】 ID a1G8ggY0 「喰らえ!フリッパーストライク!」『イヤ、ソレッテタダノ『ヒレ打チ』ダロ』 【絵師】 ID ETa6C6pJo 【スタンド名】 Cシュート 【本体】 女性なのに「機械王」の異名をとる天然女性科学者。 【タイプ】 近距離型 【特徴】 機械的なペンギン 【能力】 このスタンドがヒレで叩いた物は自動で本体を守るようになる。 つまり叩かれた物は本体がピンチになると自動で飛んできて本体の盾になる。 守るといってもただ本体の前になる事で他人の攻撃から守るだけだが。 この効果は生物に対しては有効では無い。 破壊力-B スピード-C 射程距離-E 持続力-B 精密動作性-D 成長性-A 【能力射程】 D ■ No.3766 【案師】 ID 5umGbwY0 【絵師】 ID ETa6C6pJo 【スタンド名】 スイート・エクソシスト 【本体】 新宿 晃(しんじゅく ひかる) 『降星学園』二学年の女子。表情豊かで心優しい性格。 【タイプ】 遠隔操作型 【特徴】 正四角形に一つ目のヴィジョン。全身に迷路みたいな模様がある。 【能力】 スタンドの睨む目を見た対象を固定する能力。 この能力は、スタンドが対象を睨んでも対象が睨む目を見なければ、 固定することができない。 破壊力-E スピード-C 射程距離-A 持続力-C 精密動作性-B 成長性-D 【能力射程】 C ■ No.3767 【案師】 ID mVY6o8FV0 【絵師】 ID ETa6C6pJo 【スタンド名】 アイス・レイピア 【本体】 淵崎新也(ふちざき しんや) かつて『降星学園』でフェンシング部の部長さえ務めた男。5年前に卒業。 今は、一歳年下の相棒と共に、アメリカ西部を巡る旅をしている。 『袈裟切りの淵崎』の異名を持つ。 【タイプ】 装備型 【特徴】 すごく薄い刃の日本刀。鍔は洋剣のような装飾。 【能力】 剣を天にかざすことで、微細刃でできた雪を降らせる能力。 破壊力-C スピード-A 射程距離-E 持続力-B 精密動作性-B 成長性-D 【能力射程】 C ■ No.3768 【案師】 ID mVY6o8FV0 【絵師】 ID ETa6C6pJo 【スタンド名】 フレイム・スティレット 【本体】 木戸ロバート(きど -) かつて『降星学園』で剣道部の部長さえ務めた男。4年前に卒業。 今は、一歳年上の相棒と共に、アメリカ西部を巡る旅をしている。 『三段突きの木戸』の異名を持つ。 【タイプ】 装備型 【特徴】 すごく短い刀身の日本刀。鍔は異様に派手。 【能力】 周囲の熱を吸収し、熱でできた刀身を形成する能力。 破壊力-A スピード-C 射程距離-E 持続力-B 精密動作性-B 成長性-D 【能力射程】 D ■ No.3769 【案師】 ID YAwDAfs0 【絵師】 ID ETa6C6pJo 【スタンド名】 キャリー・オン・マイ・ウェイワード・サン 【本体】 幽霊のように不気味な白装束の女。 【タイプ】 範囲型 【特徴】 幽霊のように三角巾を付けた人型。 【能力】 恐怖を創造し、展開する能力。 恐怖は幻影のように実像を持たず、人によって違う『ツボ』をピンポイントに突ける。 幻影によるダメージは、強烈な思い込みによって成り立っているため、 それを上回る強力な暗示をかけることで解放させることが可能。 破壊力-E スピード-E 射程距離-A 持続力-B 精密動作性-A 成長性-E ■ No.3770 【案師】 ID 1EsiIJQ0 「お前に足りないものは、それは!情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ! そしてなによりもォォォオオオオッ!!速さが足りない!!」 【絵師】 ID ETa6C6pJo 【スタンド名】 ラディカル・グッドスピード 【本体】 速さに異常なまでの執着を持つ男 【タイプ】 近距離型 / ネタ 【特徴】 足の部分にオレンジ色のストライプ模様のある人型 【能力】 触れたものを速さに特化した形に再構築する 車に触れれば風の抵抗を受けにくい形になり普通の状態より速く走れるようになる 靴に使えばはいている人物が走りやすくスピードを出せる形になる また車などの部品を足に付け再構築することで車同等のスピードを出すことも出来る 破壊力-C スピード-A 射程距離-D 持続力-B 精密動作性-A 成長性-C オリジナルスタンド図鑑No.3771~3780 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ ルールブック ] [ 削除ガイドライン ] [ よくある質問 ] [ 管理人へ連絡 ]
https://w.atwiki.jp/jojoxixipage/pages/96.html
ざっきは公園へと近付く 「ガサガサッ」 何か物音がする シャルルがざっきに気付く シャルル 「ほう貴様もスタンド使いだな?」 ざっき 「っ!?」 シャルル 「ああっいいっ!しゃべらなくてもいいっ!俺には分かる。俺には分かるんだよっ! その体のまわりを覆うワイヤーを見ればな」 ****** ざっきとシャルルはにらみ合う。 しかし、その場から少し離れた所からとてつもない殺気を感じ取った。 レイジアゲインストザマシーン… そのスタンドが放つ異様な殺気を離れた所から感じ取っていた。 ―目の前にいるものと同時に相手には出来ない― 2人の脳裏によぎった言葉であった。 ****** ざっき 「そういう貴様もスタンド使いだな?そう火だっ!一瞬で燃やし尽くすであろう。そう貴様は、炎を操るスタンド使いだっ!!!」 そう言いざっきは公園に残る無数の焦げ跡に目を移す。 シャルル「ほう、良い観察力だな。だが、俺の能力が解ったところで防げなければ意味がない…そう意味がないぃぃぃっ!!」 シャルルが構える ざっき(確かに、俺のワイヤーマザーじゃ分が悪いかっ) ****** ざっきは遠くから感じる殺気に気を配っていた。 しかしシャルルは目の前のざっきに標的を絞った。 ざっきは「生き残る闘い」 シャルルは「敵を消す闘い」 を選んだのだった。 ****** Rock 「ほ~ら♪ほ~ら♪皆の声がする~↑↑♪ んで、んで、た○chanがなみ○いの一本髪つかんでぇ~『ノックしてもしも~し』っと~♪」 鼻歌まじりにとおりかかったRockが公園で膠着状態の3人に目をやる。 ****** シャルルは振動を高めた。 射程外にいるざっきは何も影響は受けないが、シャルルの放つ殺気は遠くからかんじるそれを凌いでいるように感じた。 ざっきは遠くに居る敵をしばし忘れることにした。 シャルル「消してやるッ!怒りのタネをオォォォ!!」 シャルルが間合いを詰める!! ざっきは冷静に詰められた分引く。 間合いは変わらない。 詰めるシャルル、 退くざっき。 ざっきが張っていた「結界」も虚しく消滅していた。 ざっき「埒があかない。埒があかないが…ワイヤー・マザーの能力ではコイツを倒すことは出来ない。」 独り言のようにつぶやき、必死に策をさがす。 シャルルはイタチごっこにさらなる怒りを燃やす。 シャルル「いつまでもォ…いつまでも逃げまわってるなよなァァァァァァァァァ!!!」 シャルルが一気に間合いを詰めた… そのときであった。 ざっきは「遠くに居る敵」を忘れたことを後悔した。 レイジアゲインストザマシーン… そのスタンドは獲物を追う猛獣のように現れ、シャルルのエネルギーを吸収した。本体であるヤマノフがすぐに後を追って現れ、スタンドをなだめる。 シャルル「カ・・・ハ・・・」 力なく倒れこむシャルル。 かろうじて息はある。 しかしざっきは目の前にある現実を受け止めきれなかった。 事態はさらに悪化した。 ****** Rockはその場を見て硬直した。 自分と似た能力を持つものが3人… 内1人が惨たらしく倒れたのを… Rockはすぐさまアンタッチャブルで自分の足裏の摩擦を消した。 移動速度を上げる為に。 1人の男は能力がわからない。 もう1人は「スタンドエネルギー」を吸収するようだ。 Rockは導かれるように「その場」へ踏み込んだ。 スタンド使いは惹かれあう… ****** ドドドドドド ざっき「……そのスタンド……エネルギーを食うタイプだな」 ヤマノフ「一度で見破るとは、中々の手練だとみうける……、レイジあっちを優先的に狙え」 獣の様な動きで黒い影が走る ざっき「ワイヤーマザー!当てる!!!! わ、ワイヤーマザーの力も吸われる!!!」 ****** ざっき「なんだ貴様はっ?貴様もスタンド使いか?」 ロックは答える 「これはスタンドっていうのかい?俺はロック、あんた俺と組まないかい?」 ざっき「っ?」 ロック「あんたの能力はしらねぇが、俺の能力ならおそらくあいつには負けない」 そう言うと、摩擦0でスピードアップしたロックはヤマノフへ駆け寄る ロック (よしっ!体全体を摩擦に0に……) ヤマノフ「行けっ!レイジアゲインストザマシーンっ!満足するまで喰いつくせっ!」 ごごごごごっ! がぶっ! レイジアゲインストザマシーンはロックに喰らいつく ヤマノフ「は~はっはっ!また一人吸収してやった!よし戻ってこいレイジアゲインストザマシーン!戻って……っ!?」 ツルッツルッ! ツルッツルッ! レイジアゲインストザマシーンが戻ってこない ロック「俺の体は今摩擦0喰らうことなぞ出来ないね!もう一度言うっ!貴様のスタンドでは俺には指一本触れられんっ!」 ****** Rockにはレイジアゲインストザマシーンの能力は通用しない。 しかしそれはヤマノフに対しても同様であった。 摩擦がない状態ではRockはヤマノフ、そしてそのスタンドに対しても触れることができないのだ。 ざっきも同様であった。 物理的攻撃、そして「自分の体」を武器とするワイヤーマザーの個体能力ではこの怪物をどうすることも出来ない。と。 膠着がしばらく続いた。 ・・・・・・・・ 突然、ヤマノフが倒れた。 ヤマノフ「な・・・なに・・・!?ぐ・・・ど・・・どうした・・・?どうしたと言うのだッ!?これは!?」 ヤマノフの右足がなくなっている。 これは… ざっき「蒸発ッ!!」 そう。蒸発である。そして行ったのは… シャルル「フー…ハー…ゼヒュー…」 シャルルである。もう立ちあがれない。生命を繋ぎとめられない虚ろな魂の最後の力である。 倒れこむヤマノフをみると、シャルルは「ニヤっ」と笑んで息を引き取った。 シャルル・リタイア ざっき「今だ――――――――!!ワイヤーマザー!!」 ざっきは本体であるヤマノフにワイヤーマザーを叩きこむ! ****** ドッバァァァァッン! まともに直撃ッ! ざっき「言い忘れていたが俺のスタンドの攻撃、、、まともに当たりゃー生きることあきらめなきゃならんぜ」 グワッパーーッ! ヤマノフ リタイア ****** ポツ ポツ ポツ Rock「ん?雨……か?」 散っていった者達を惜しむように雨が降り出した。 Rock「あんたも大変だったな・・・ッ!?」 ざっき「雨…、雨…、なんで降るんだよーッ!デェェェ嫌いなんだよ!雨はよー!」 イキナリざっきプッツン(ざっきの本体紹介参照) ****** Rock「おいおい、どうしたんだ?もう闘いは…」 ざっき「うるせぇんだよこのダボがァァッ!! くらって死にな、ワイヤーマザー!!」 降りしきる雨を切り裂くように、ワイヤーマザーの放った超高速の蹴りがRockを襲うッ!! Rock「頭に血が昇って俺の能力まで忘れちまったみたいだな。アンタッチャブルにそんな攻撃は通用しねんだよ」 Rockの足に当たった蹴りは、ダメージを与えることなく軌道をそれ、バランスを崩したワイヤーマザーは水たまりに突っ込んだ。 Rock「ざっきよぉ、聞こえないか? てめえの死を告げる音がよぉ」 ブロロロロロ…… ざっき「!」 Rock「見えてきたな、通りがかりの車がよぉ。あの車の摩擦を0にしたらどうなるかなぁ。楽しみだよなあ…アンタッチャブル!」 猛スピードで突進してくる乗用車。倒れているざっきに避けている時間はない。 ざっき「Rock、残念だったな。勝利を確信したとき、そいつはすでに敗北している」 瞬間、Rockの胸からワイヤーが飛び出した。車のスピードも元に戻っている。 Rock「!? …馬鹿なッッ! このアンタッチャブルにワイヤーなど…」 ざっき「蹴りを外したとき、背後にワイヤーの結界を張っていたのに気付かなかったみたいだな。それに、俺にとどめを刺す時、アンタッチャブルを解除する瞬間があるはずだ、と思ったが、どうやら当たったみたいで助かったぜ」 Rock「くっ…、俺のアンタッチャブルを破るとは…。完敗だぜ…」 ざっき「たったひとつのシンプルな答えだ。てめえは俺を怒らせた…」 Rock、リタイア!! To Be Continued...
https://w.atwiki.jp/orisuta/pages/981.html
オリジナルスタンド図鑑No.4211~4220 ■ No.4221 【案師】 ID sk8gvKRW0 【絵師】 ID fcMLHpc8o 【絵師】 ID w5kVxd9A0 【スタンド名】 フェアウェル・キングダム 【本体】 『ディザスター』に所属する男。 元軍人の傭兵で、CQC(近接格闘術)を用いた白兵戦を得意とした。 【タイプ】 自動操縦型 【特徴】 スコープのような目で、右腕はスナイパーライフルに同化している。 【能力】 簡単に言えば『持ち運びできる狙撃兵』 スタンド自体は本体が指定したターゲットを狙撃するだけ。 右腕のライフルの性能もスタンドの狙撃の腕前も一般的な軍隊の狙撃兵と同じレベル。 自動操縦型だが、精密動作性は高く、本体の意志でスタンドを出し入れできる。 しかし、知能性は低く、スタンドは発動位置での狙撃体制からは全く移動しないし、 ターゲットの変更をするには本体が直接スタンドに伝えなければならない。 だが、狙撃をスタンドが自動で行うことで、 本体が周囲を見回していつでもスタンドを出し入れできるということの意義は大きい。 破壊力-C スピード-C 射程距離-A 持続力-A 精密動作性-A 成長性-C ■ No.4222 【案師】 ID on6jkhXDO 【絵師】 ID fcMLHpc8o 【スタンド名】 スラッシュ・ドット・ダッシュ 【本体】 確固たる「女たらし」としての信念を貫く青年 道行く「スタンド使い」の女子高生にナンパしまくっている 【タイプ】 近距離型 【特徴】 人型スタンド 【能力】 本体が認識していない事象の影響を受けない 夜道で奇襲を受けても、透明な敵から攻撃を受けても、本体は何も影響を受けない 本体が視覚や聴覚で少しでも事象を意識してしまうと、能力は発動しない 寝ている間は何が起きようと無敵と言っていいスタンド 破壊力-A スピード-B 射程距離-E 持続力-D 精密動作性-C 成長性-B ■ No.4223 【案師】 ID PgCHmXik0 【絵師】 ID 0qSzjTBDo 【スタンド名】 スタンド名なし (本体が名づけていない) 【本体】 卜部審(うらべ しん) 『降星学園』六年生男子。 その『卜(うらない)』という名が意味するとおり、一族代々『予言』を生業としており、 学園でも占い部なるものを立ち上げている。もちろん立場は部長。 【タイプ】 近距離型 【特徴】 黒色と紫色の三日月の装飾が施された人型。 【能力】 常に30秒先の未来を予言し続ける能力。 罠ならば、その罠に「かかってから」避けれるし、 自動車事故なら「巻き込まれてから」巻き込まれない道に行ける。 スピーディな戦闘では予言が少し間に合わず、数分、数時間、 数年の未来を予言するほど強力ではない『ちょっと中途半端』な予言である。 破壊力-A スピード-C 射程距離-E 持続力-A 精密動作性-E 成長性-B ■ No.4224 【案師】 ID Gvv8zxb+0 【絵師】 ID 6JtJf2rG0 【スタンド名】 24REVERSE (トゥエンティーフォー・リバース) 【本体】 没落貴族の末裔 【タイプ】 近距離パワー型 【特徴】 屈強な人型で、両腕に「XXⅣ」と腕にそって描かれている。 【能力】 時を「巻き戻す」能力。 能力を発動すると本体から半径10メートル以内の範囲で 起こった事象すべてが0.5倍速で巻き戻る。 たとえば能力の効果時間が5秒だとすれば、2.5秒前まで5秒かけて巻き戻る。 しかし実際に時が巻き戻るわけではなく、時間は正常に動く。事象の動きだけが巻き戻る。 したがって範囲内の生物の思考は通常に働くし、巻き戻った後で別の行動もとれる。 本体とスタンドはこの能力の影響は受けず、自由に動くことができる。 破壊力-A スピード-B 射程距離-D 持続力-E 精密動作性-B 成長性-? ■ No.4225 【案師】 ID 7arIZr/U0 【絵師】 ID 8FGEgOfMo 【スタンド名】 プレインエイジア 【本体】 スタンド使いが大量発生した街の市長。 純血主義かつ潔癖症。『清浄で完璧な』街の維持に執着する。 【タイプ】 近距離型 【特徴】 太陽(旭日旗)っぽい紅白の人型 【能力】 殴った物から不純物を取り除く。 人間なら体から異物や病気を取り除いたり、不安や恐怖などの心の迷いを取り除く。 またスタンド能力の影響すら取り除ける。 破壊力-B スピード-B 射程距離-C 持続力-D 精密動作性-C 成長性-A ■ No.4226 【案師】 ID CZ6EsKKD0 【絵師】 ID Ylit4BuLo 【スタンド名】 アイガー・サンクション 【本体】 『ディザスター』所属の脱獄囚人。元探検家という経歴も持つ。 【タイプ】 近距離型 【特徴】 氷の結晶のような人型。 【能力】 触れた物の機能を一つ凍らせる能力。 例えば、テープレコーダーに触れれば、「録音機能」や「再生機能」などを封じられる。 周囲の気温が高ければ高いほど凍らせた機能が溶け出すのが早くなる。 また、生物には使用不可能。 破壊力-A スピード-A 射程距離-D 持続力-周囲の気温による 精密動作性-C 成長性-C ■ No.4227 【案師】 ID im+hqMTAO 【絵師】 ID vKq/F1QSo 【スタンド名】 ホワット・ライズ・ビニース 【本体】 ポニーテールのひんぬーメガネ女。 胸のことは禁句である。 【タイプ】 近距離型 【特徴】 全身に三日月型の装飾が散りばめられた人型スタンド 【能力】 触れた物体をガス化させる。 一度ガスに変えたものは、本体の好きなタイミングで物体に戻せるが、 「元の形状」には戻せない。 例えば、四角いプラスチックの容器を一度ガス化させてから物体に戻しても、 プラスチックの塊になるだけで、元の四角い形には戻せない。 生物をガス化させることは出来ない。 破壊力-B スピード-A 射程距離-D 持続力-C 精密動作性-C 成長性-A 【能力射程】 C ■ No.4228 【案師】 ID a8So/Gbw0 【絵師】 ID FEeVg7wZo 【絵師】 ID IVKL0vY40 【スタンド名】 ブラック・エンペラー 【本体】 『ディザスター』所属の風格漂う暗殺者。 子供から大統領まであらゆる者を暗殺してきた実力者。失敗は一度もない。 元々『アンカー』に所属していたが、平和ボケした組織に嫌気がさし 『ディザスター』への所属を決意した。 【タイプ】 近距離型 / 人型 【特徴】 黒薔薇をイメージさせる人型のヴィジョン 【能力】 『触れると発火する花びらを、花吹雪のように大量に放つことができる能力』 花びらを結界のように利用したり、狙いを定めて高密度で放つことも可能。 花びら一枚の威力はそこそこといったところ。 破壊力-B スピード-A 射程距離-D 持続力-C 精密動作性-B 成長性-C 【能力射程】 約20m ■ No.4229 【案師】 ID JTmgWwSFo 【絵師】 ID wm+64my90 【スタンド名】 ソウルド・アウト 【本体】 赤い帽子を被った女の子 【タイプ】 中距離型 【特徴】 ビリヤードのキューのような棒を持った人型。 【能力】 キューで突いた生物の魂を「押し出し」、「吹っ飛ばす」能力。 吹っ飛ばされた魂は全て、5秒で元の体に残る。 魂を吹っ飛ばした先に物があれば、その物に吹っ飛ばされた魂が宿る。 そして元の魂の生き物のように動く。 例:カエルの魂を吹っ飛ばしてレンガに当てると、 レンガが足もないのに5秒間ぴょこぴょこ跳ねたりする。 また、吹っ飛ばされた魂が「生物」にあたると、 当たった生物の魂を吹っ飛ばし、最初に吹っ飛ばされた魂がその体に入る。 ちなみに、生物に当てる角度を調整することで、その生物の魂が吹っ飛ばす方向を調整できる。 そして、人間の魂は直接吹っ飛ばすことはできない。 何かの生物の魂をぶつけると吹っ飛ばすことができる。 しかし、能力が進化した場合はその限りではない。 破壊力-C スピード-A 射程距離-10m 持続力-E 精密動作性-A 成長性-A 【能力射程】 100m ■ No.4230 【案師】 ID 2u9PV+o1o 【絵師】 ID 7qtPxXmPo 【スタンド名】 コンプリート・ダークネス 【本体】 非常に理知的で紳士さと言うものを感じさせる『ディザスター』の幹部 『犯罪』に対して『敬意』を持ち、決して遊び心を挟むことはない 【タイプ】 近距離型 / チート 【特徴】 三角帽子と三日月を象った杖を持った人型 【能力】 射程内の影から『異次元』を発生させる能力 『異次元』自体に破壊力はないが、 それにスタンドが触れることによって『結晶』を生やすことが出来る 『結晶』が生えた『異次元』は、周囲にあるものを無差別に呑み込む 能力射程から離れると『異次元』は消えるが、 『結晶』が生えた『異次元』は一時間だけその形を保ち、その後消える 本体は『結晶』の生えた『異次元』のみ他の『異次元』と通路を繋げ、くぐることが出来る 『異次元』に飲み込まれたものはどうなるか、それは呑み込まれたものにしか分からない 『結晶』の生えた『異次元』は泥沼のようになっており、一度はまると抜け出すのは容易ではない 破壊力-A スピード-B 射程距離-E 持続力-C 精密動作性-A 成長性-E 【能力射程】 C オリジナルスタンド図鑑No.4231~4240 当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用を禁止します。 [ トップページ ] [ ルールブック ] [ 削除ガイドライン ] [ よくある質問 ] [ 管理人へ連絡 ]